2007年10月30日
実家1
テレビ
「昨夜未明、週刊誌編集長、高梨守さん方から火が出て、木造2階建ての守さん方を全焼。守さん一家の行方がわからず、発見した3人の遺体が守さん夫妻と長女と見て調べています。現場は…」
かすみ
「みよっちゃん、怖いねぇ〜」
三好
「姫、赤ちゃんに聞こえますから、テレビ替えますよ。」
かすみ
「もういらなぃ、音楽聞くから」
取り寄せてもらったS大の演奏会。
8ヶ月の赤ちゃんに届け…て願ぅ。
バタン!
三好
「ありさお嬢様」
髪を振り乱したありさがいる。
ありさ
「かすみちゃん…」
かすみ
「ありさ…」
ありさ
「ごめんなさい!」
かすみ
「どうしちゃったのよ?
あたしは幸せだよ。圭ちゃんの赤ちゃんも8ヶ月!
それからありさに報告があるんだ!
赤ちゃんね、男の子!
これでありさ、自由になれるんだよ〜!」
かすみの声に、ありさは泣き崩れた。
かすみ
「ありさ、どうしちゃったのよ?
お姉ちゃんになるのよ、泣いちゃダメ。」
ありさはそれでも泣き続けている。
かすみ
「久々に一緒のベッドで寝ようよ。
よっこらしょ。」
ありさをベッドに寝かせて、かすみも横になった。
かすみ
「きちんとありさの名前、聞けばよかったね」
ありさ
「ううん、聞かれても、私は神谷とは名乗らなかった…」
かすみ
「ここの屋上、気持ちいいんだよ」
ありさ
「屋上?
圭介にも聞かれたわ。
屋上はなかったわよ、ずっと」
かすみ
「今はあるの。
風が気持ちいいんだ。
みよっちゃんのうたた寝タイムまであと30分だから、そしたら行こっ」
かすみはありさの手をつなぐ。
かすみ
「ありがと、赤ちゃんのために」
ありさはさらに泣き出した。
かすみ
「ありさぁ、泣かないでよぉ。
ありさが泣いたら…あたしも…」
2人でおでこをくっつけて泣いた。
30分後。
かすみ
「ありさ、こっちこっち!」
ありさはかすみの後をついて、見たこともない階段を登り、屋上へ出た。
ありさ
「こんないい場所があったんだ…」
かすみ
「圭ちゃんから聞いたなら、あの小屋、知らなぃよね?」
ありさ
「ボイラー室じゃないの?」
かすみ
「うぅん、変な音がするの」
ありさ
「窓もないじゃない」
かすみ
「ベランダの上を歩けば窓があるの」
ありさ
「かすみちゃん、そんな体で…」
かすみ
「元陸上部♪
運動神経だけはいいんだから(^-^)v 」
ベランダの縁と、雨樋を伝い、歩く。
ありさにはヒヤヒヤして仕方ないが、かすみは慣れているようで涼しい顔をしてる。
磨り硝子にカーテンの締まった小屋。
かすみ
「ありさ、手ぶらだよね?」
ありさ
「うん」
かすみ
「仕方ないか。
こうちゃん、ごめんね」
かすみはおなかをなでると雨樋にぶらさがり、勢いをつけ、窓の鍵めがけ、かかと蹴りをした。
ありさ
「かすみちゃん…」
かすみ
「ウリしてた女に怖いものなし!(^-^)v
子供がいるとなおさらね(=⌒ー⌒=)」
かすみは鍵を開けて窓を開け、さらにカーテンを開けた。
ありさ
「お母様?!」
人形ようにベッドに横たわる女性。
ありさは駆け寄る。
かすみ
「よっこらしょ。」
なんとか部屋に入る。
ありさ
「お母様?お母様なの?」
女性は目を開ける。
そしてじっとありさを見つめる。
ありさ
「私よ!ありさ!
お母様の娘のありさです…
あ・り・さ…
あ・り・さ…」
女性の目から涙が溢れ出す。
ありさ
「お母様…どうしてこんな姿に」
バタン
医者と神谷が飛び込んでくる。
神谷
「ありさ!」
ありさ
「お父様、どういうこと?
どうしてこんなところにお母様を…」
神谷
「許してくれ…」
ありさ
「かすみちゃんのときもそう。
お母様もそう。
私は何でもお父様のすることを許せっていうの?
私には何も許してくれないのに!」
かすみ
「ありさ、お母さんが…」
涙を流しながらありさを見つめている。
ありさ
「お母様!
お父様にこんな口聞いて、ごめんなさい。」
力ない冷たい手をぎゅっと握る。
女性はふと目を上げた。
ありさも目を上げた。
たくさんの延命装置。
ありさ
「お母様…まさか?」
優しい瞳をありさに向け、小さく微笑みかけ、そっと目を閉じた。
ありさ
「…何人、私は人の命を奪うんだろう…」
つぶやいて一気に装置を引き抜いた。
神谷
「ありさ、止めなさい!」
ありさ
「これが最初で最後のお母様への孝行なのよぉぉ〜!」
ピー…
心臓が停止した。
医者は確認に入る。
医者
「15:24…ご臨終です」
ありさは泣き崩れた。
ありさ
「お母様、お母様、おかあさまぁぁぁ!」
かすみ
「痛いっ」
かすみのおなかがガチガチに張った…苦しい。
三好
「姫…消えたと思ったら…奥様?奥様!」
神谷
「あすかちゃんを部屋へ」
三好
「はい、姫、部屋で横になりましょう」
かすみ
「ありさは?
ありさはどうなるの!」
三好
「今は戻りましょう」
ありさの泣き叫ぶ声が聞こえる。
かすみ
「ハッハッ…
みよっちゃん、ありさのベッドをあたしの部屋に用意させて…」
かすみはそう言って意識を失った。
「昨夜未明、週刊誌編集長、高梨守さん方から火が出て、木造2階建ての守さん方を全焼。守さん一家の行方がわからず、発見した3人の遺体が守さん夫妻と長女と見て調べています。現場は…」
かすみ
「みよっちゃん、怖いねぇ〜」
三好
「姫、赤ちゃんに聞こえますから、テレビ替えますよ。」
かすみ
「もういらなぃ、音楽聞くから」
取り寄せてもらったS大の演奏会。
8ヶ月の赤ちゃんに届け…て願ぅ。
バタン!
三好
「ありさお嬢様」
髪を振り乱したありさがいる。
ありさ
「かすみちゃん…」
かすみ
「ありさ…」
ありさ
「ごめんなさい!」
かすみ
「どうしちゃったのよ?
あたしは幸せだよ。圭ちゃんの赤ちゃんも8ヶ月!
それからありさに報告があるんだ!
赤ちゃんね、男の子!
これでありさ、自由になれるんだよ〜!」
かすみの声に、ありさは泣き崩れた。
かすみ
「ありさ、どうしちゃったのよ?
お姉ちゃんになるのよ、泣いちゃダメ。」
ありさはそれでも泣き続けている。
かすみ
「久々に一緒のベッドで寝ようよ。
よっこらしょ。」
ありさをベッドに寝かせて、かすみも横になった。
かすみ
「きちんとありさの名前、聞けばよかったね」
ありさ
「ううん、聞かれても、私は神谷とは名乗らなかった…」
かすみ
「ここの屋上、気持ちいいんだよ」
ありさ
「屋上?
圭介にも聞かれたわ。
屋上はなかったわよ、ずっと」
かすみ
「今はあるの。
風が気持ちいいんだ。
みよっちゃんのうたた寝タイムまであと30分だから、そしたら行こっ」
かすみはありさの手をつなぐ。
かすみ
「ありがと、赤ちゃんのために」
ありさはさらに泣き出した。
かすみ
「ありさぁ、泣かないでよぉ。
ありさが泣いたら…あたしも…」
2人でおでこをくっつけて泣いた。
30分後。
かすみ
「ありさ、こっちこっち!」
ありさはかすみの後をついて、見たこともない階段を登り、屋上へ出た。
ありさ
「こんないい場所があったんだ…」
かすみ
「圭ちゃんから聞いたなら、あの小屋、知らなぃよね?」
ありさ
「ボイラー室じゃないの?」
かすみ
「うぅん、変な音がするの」
ありさ
「窓もないじゃない」
かすみ
「ベランダの上を歩けば窓があるの」
ありさ
「かすみちゃん、そんな体で…」
かすみ
「元陸上部♪
運動神経だけはいいんだから(^-^)v 」
ベランダの縁と、雨樋を伝い、歩く。
ありさにはヒヤヒヤして仕方ないが、かすみは慣れているようで涼しい顔をしてる。
磨り硝子にカーテンの締まった小屋。
かすみ
「ありさ、手ぶらだよね?」
ありさ
「うん」
かすみ
「仕方ないか。
こうちゃん、ごめんね」
かすみはおなかをなでると雨樋にぶらさがり、勢いをつけ、窓の鍵めがけ、かかと蹴りをした。
ありさ
「かすみちゃん…」
かすみ
「ウリしてた女に怖いものなし!(^-^)v
子供がいるとなおさらね(=⌒ー⌒=)」
かすみは鍵を開けて窓を開け、さらにカーテンを開けた。
ありさ
「お母様?!」
人形ようにベッドに横たわる女性。
ありさは駆け寄る。
かすみ
「よっこらしょ。」
なんとか部屋に入る。
ありさ
「お母様?お母様なの?」
女性は目を開ける。
そしてじっとありさを見つめる。
ありさ
「私よ!ありさ!
お母様の娘のありさです…
あ・り・さ…
あ・り・さ…」
女性の目から涙が溢れ出す。
ありさ
「お母様…どうしてこんな姿に」
バタン
医者と神谷が飛び込んでくる。
神谷
「ありさ!」
ありさ
「お父様、どういうこと?
どうしてこんなところにお母様を…」
神谷
「許してくれ…」
ありさ
「かすみちゃんのときもそう。
お母様もそう。
私は何でもお父様のすることを許せっていうの?
私には何も許してくれないのに!」
かすみ
「ありさ、お母さんが…」
涙を流しながらありさを見つめている。
ありさ
「お母様!
お父様にこんな口聞いて、ごめんなさい。」
力ない冷たい手をぎゅっと握る。
女性はふと目を上げた。
ありさも目を上げた。
たくさんの延命装置。
ありさ
「お母様…まさか?」
優しい瞳をありさに向け、小さく微笑みかけ、そっと目を閉じた。
ありさ
「…何人、私は人の命を奪うんだろう…」
つぶやいて一気に装置を引き抜いた。
神谷
「ありさ、止めなさい!」
ありさ
「これが最初で最後のお母様への孝行なのよぉぉ〜!」
ピー…
心臓が停止した。
医者は確認に入る。
医者
「15:24…ご臨終です」
ありさは泣き崩れた。
ありさ
「お母様、お母様、おかあさまぁぁぁ!」
かすみ
「痛いっ」
かすみのおなかがガチガチに張った…苦しい。
三好
「姫…消えたと思ったら…奥様?奥様!」
神谷
「あすかちゃんを部屋へ」
三好
「はい、姫、部屋で横になりましょう」
かすみ
「ありさは?
ありさはどうなるの!」
三好
「今は戻りましょう」
ありさの泣き叫ぶ声が聞こえる。
かすみ
「ハッハッ…
みよっちゃん、ありさのベッドをあたしの部屋に用意させて…」
かすみはそう言って意識を失った。
Posted by かすみ at
01:39
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2007年10月31日
実家2
かすみは目を覚ますと、隣でありさが眠っていた。
きれいな長い髪もクシャクシャになり、腕には包帯が巻かれている。
かすみ
「みよっちゃん、ありさゎ!?」
三好
「大丈夫です、ありさ様はパニックで腕をお切りになりましたが、傷も浅く、今は鎮静剤で眠っています」
かすみ
「なんであんな場所にありさのお母さんを?」
三好
「ありさ様が病院を周り奥様を探し始めたんです…中学生の頃。
でもどこにもいない…
それで疑惑を部屋に向けたのです。
そこで、屋上を作った…」
ありさ
「お母様、お母様…お母さまぁ!!」
ありさは飛び起きた。
ありさ
「まだ、私、生きている」
ありさはわーっと泣き出した。
ありさ
「4人も殺したのよ、私は!」
かすみ
「ありさ、なにバカ言ってるのょ。
お母さんは殺されてなんかない。
お母さんはあなたに意思を伝えて、あなたはそれをしただけ…」
ありさ
「だけど、かなは…」
三好
「お嬢様、大変申し訳ありません…作戦は失敗になりました」
ありさ
「え?!」
三好
「作戦決行の前に、高梨一家は亡くなりました…一家心中です」
ありさ
「一家心中?!」
三好
「高梨が神谷コーポレートを揺すり、自分でネタを作り上げた…
それを知った別雑誌の編集者に揺すられていた。
今週、発行記事で明らかになっています」
三好は雑誌を手渡す。
「自作自演のスクープ・高梨一家の失墜」
パラパラと記事をめくると、加奈子のことも載っていた。
高梨加奈子20歳…
自ら愛人になり、過去に何件もの会社社長を退陣に追いやった魔女…
ありさ
「かな…」
三好
「高校にも在籍してませんでした。
あなたが神谷の娘だから…それだけで高校生のフリをして近づいていた」
ありさは再び布団をかぶって、泣いた。
騙された自分も
かなと過ごした幸せな時間も
初めて出会えた母親も
すべて失った。
かすみ
「ありさ…」
三好
「姫、そっとしておいてください」
布団の中のすすり泣きが、静かな部屋に響く。
かすみも涙をこらえて、布団をかぶった。
ありさはかなを見ていたんだ…
安曇野かすみも
水野あすかも
ありさに愛されてなかった。
涙が止まらなかった。
かすみ
「あたしの愛ゎ届かなかったんだ…」
きれいな長い髪もクシャクシャになり、腕には包帯が巻かれている。
かすみ
「みよっちゃん、ありさゎ!?」
三好
「大丈夫です、ありさ様はパニックで腕をお切りになりましたが、傷も浅く、今は鎮静剤で眠っています」
かすみ
「なんであんな場所にありさのお母さんを?」
三好
「ありさ様が病院を周り奥様を探し始めたんです…中学生の頃。
でもどこにもいない…
それで疑惑を部屋に向けたのです。
そこで、屋上を作った…」
ありさ
「お母様、お母様…お母さまぁ!!」
ありさは飛び起きた。
ありさ
「まだ、私、生きている」
ありさはわーっと泣き出した。
ありさ
「4人も殺したのよ、私は!」
かすみ
「ありさ、なにバカ言ってるのょ。
お母さんは殺されてなんかない。
お母さんはあなたに意思を伝えて、あなたはそれをしただけ…」
ありさ
「だけど、かなは…」
三好
「お嬢様、大変申し訳ありません…作戦は失敗になりました」
ありさ
「え?!」
三好
「作戦決行の前に、高梨一家は亡くなりました…一家心中です」
ありさ
「一家心中?!」
三好
「高梨が神谷コーポレートを揺すり、自分でネタを作り上げた…
それを知った別雑誌の編集者に揺すられていた。
今週、発行記事で明らかになっています」
三好は雑誌を手渡す。
「自作自演のスクープ・高梨一家の失墜」
パラパラと記事をめくると、加奈子のことも載っていた。
高梨加奈子20歳…
自ら愛人になり、過去に何件もの会社社長を退陣に追いやった魔女…
ありさ
「かな…」
三好
「高校にも在籍してませんでした。
あなたが神谷の娘だから…それだけで高校生のフリをして近づいていた」
ありさは再び布団をかぶって、泣いた。
騙された自分も
かなと過ごした幸せな時間も
初めて出会えた母親も
すべて失った。
かすみ
「ありさ…」
三好
「姫、そっとしておいてください」
布団の中のすすり泣きが、静かな部屋に響く。
かすみも涙をこらえて、布団をかぶった。
ありさはかなを見ていたんだ…
安曇野かすみも
水野あすかも
ありさに愛されてなかった。
涙が止まらなかった。
かすみ
「あたしの愛ゎ届かなかったんだ…」
Posted by かすみ at
20:41
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2007年10月31日
出産1
かすみ
「アイタタタ…」
かすみは腰を抑えてうずくまる。
かすみ
「みよっちゃん、腰、腰さすって」
かすみは息絶え絶えに三好に声をかける。
三好
「もうすぐ、お医者様が参りますから」
かすみ
「いったぁ…
カナヅチで、腰ぶん殴ってよ」
三好
「そんなことできません」
かすみ
「だったらどうすんのよ!
…あぁっ、また来た!いたぁ〜!」
三好
「呼吸法です」
かすみ
「そんなの読んでないわよぉぉ、
つまんないんだもん!」
三好
「はいはい、姫」
子供が子供を産むってこのことか…
かすみ
「圭ちゃん、呼んで」
三好
「できません」
かすみ
「なんでよぉぉぉぉ!!」
人生初の痛みに、かすみの苛立ちも頂点だ。
三好
「圭祐様の子供でも、神谷の子供です。」
かすみ
「関係ないじゃん!」
三好
「情がわいたら、手放せますか?」
かすみ
「あたしはどぉーすんのよ!
いぃから腰、早くさすって!」
三好
「姫とは、契約ですから。
お生まれになったら、学業の方に専念していただきます。」
かすみ
「契約もへったくれもないわなよ!
圭ちゃん呼んで!
呼ばないなら、窓から飛び降りるぅ!」
三好
「姫!」
かすみ
「こんなに痛いなら車にはねられるくらい、マシよ!はねられたことないけど。
転落くらいなら、中学のときにしてるから、あの方がまだマシ!」
三好
「わかりました…」
三好はしぶしぶ圭祐に連絡をする。
かすみ
「早く腰さすってよ」
三好
「電話中です」
なぜ、ありさではなく、見ず知らずのかすみの面倒をみるのか、三好はガックリ肩を落とす。
三好
「ありさ様の方がかわいらしかったわ…」
かすみ
「いった〜っい!
早く!
早く生ませろぉぉ!」
「アイタタタ…」
かすみは腰を抑えてうずくまる。
かすみ
「みよっちゃん、腰、腰さすって」
かすみは息絶え絶えに三好に声をかける。
三好
「もうすぐ、お医者様が参りますから」
かすみ
「いったぁ…
カナヅチで、腰ぶん殴ってよ」
三好
「そんなことできません」
かすみ
「だったらどうすんのよ!
…あぁっ、また来た!いたぁ〜!」
三好
「呼吸法です」
かすみ
「そんなの読んでないわよぉぉ、
つまんないんだもん!」
三好
「はいはい、姫」
子供が子供を産むってこのことか…
かすみ
「圭ちゃん、呼んで」
三好
「できません」
かすみ
「なんでよぉぉぉぉ!!」
人生初の痛みに、かすみの苛立ちも頂点だ。
三好
「圭祐様の子供でも、神谷の子供です。」
かすみ
「関係ないじゃん!」
三好
「情がわいたら、手放せますか?」
かすみ
「あたしはどぉーすんのよ!
いぃから腰、早くさすって!」
三好
「姫とは、契約ですから。
お生まれになったら、学業の方に専念していただきます。」
かすみ
「契約もへったくれもないわなよ!
圭ちゃん呼んで!
呼ばないなら、窓から飛び降りるぅ!」
三好
「姫!」
かすみ
「こんなに痛いなら車にはねられるくらい、マシよ!はねられたことないけど。
転落くらいなら、中学のときにしてるから、あの方がまだマシ!」
三好
「わかりました…」
三好はしぶしぶ圭祐に連絡をする。
かすみ
「早く腰さすってよ」
三好
「電話中です」
なぜ、ありさではなく、見ず知らずのかすみの面倒をみるのか、三好はガックリ肩を落とす。
三好
「ありさ様の方がかわいらしかったわ…」
かすみ
「いった〜っい!
早く!
早く生ませろぉぉ!」
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20:43
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2007年10月31日
出産2
圭祐
「かすみ!」
圭祐がやってきた。
かすみ
「圭ちゃん…もうすぐ…生まれるから」
圭祐
「幸祐、がんばれ!」
かすみ
「なんでみよっちゃんも圭ちゃんも、赤ちゃんばかり応援するのぉぉぉ?
あたしが頑張ってったたたぁ〜はぁはぁ」
ありさ
「幸祐は!
幸祐はどこ?!」
かすみ
「腹ん中!
一人くらいあたしをいたわってよぉ〜!
まだ生ませなぃのか!」
医者
「まだ破水してませんから」
かすみ
「破水もかすみも関係ない!
生ませろったら、生ませろぉぉ」
足をばたつかせた瞬間、パチンと音がした。
かすみ
「うわっ、尿漏れやぁ〜」
医者
「破水ですね、準備を」
三好
「ありさ様に続いて、私が取り上げさせていただきます」
神谷
「あすかちゃーん!
幸祐は?
幸祐はどこだ!」
ありさ
「お父様、まだかすみのお腹の中よ」
神谷
「あすかちゃん、がんばれよ!」
かすみ
「おじさま…そろそろかすみって…覚えてっ…ぃてて」
神谷
「わかったよ!あすか!がんばれ!」
圭祐に手を握っていてもらう。
かすみ
「なんか尻で回転してるぅ」
三好
「頭が見えてきましたよ」
ありさが額の汗を拭いてくれる。
ありさ
「かすみ、がんばれ!」
かすみ
「あのさぁ…
ありさの部屋、帰る」
ありさ
「…あ゛?」
三好
「姫、もう少しです」
ありさ
「あなたは絶対、ママのようにさせない。
ずっとそばで生きてもらうから」
かすみ
「もぅ早く帰りたぁい!(-_-#)」
三好
「出てきました!」
みんな赤ちゃんにかけよる。
青黒い小猿の口から羊水が出されると真っ赤な顔をして産声を上げた。
三好
「さあ、お乳を飲ませてあげて」
胸の上に小猿が置かれる。
一生懸命、お乳を吸い始めた。
かすみ
「圭ちゃんの赤ちゃん」
ありさ
「うわー、ほんとに飲んでるぅ!(・∀・)」
圭祐
「ありさ姉さん、18歳違いの弟…親子だなぁ(^o^)」
ありさ
「そしたらお父様はおじいちゃんよ」
神谷
「おじいちゃんなんて言うなよ、私の息子なんだから(^^ゞ」
医者の処置が終わり、幸祐を囲んで大賑わい。
圭祐
「2人で育てられなくても、生かせてくれてありがとう、かすみ」
久しぶりのキスをした。
かすみ
「許せるの?こんな契約に」
圭祐
「おろすより、契約でも生かせてくれた方がうれしい」
かすみ
「ありがとぅ」
圭祐
「でも俺たちの戦いはこれからだからな」
「かすみ!」
圭祐がやってきた。
かすみ
「圭ちゃん…もうすぐ…生まれるから」
圭祐
「幸祐、がんばれ!」
かすみ
「なんでみよっちゃんも圭ちゃんも、赤ちゃんばかり応援するのぉぉぉ?
あたしが頑張ってったたたぁ〜はぁはぁ」
ありさ
「幸祐は!
幸祐はどこ?!」
かすみ
「腹ん中!
一人くらいあたしをいたわってよぉ〜!
まだ生ませなぃのか!」
医者
「まだ破水してませんから」
かすみ
「破水もかすみも関係ない!
生ませろったら、生ませろぉぉ」
足をばたつかせた瞬間、パチンと音がした。
かすみ
「うわっ、尿漏れやぁ〜」
医者
「破水ですね、準備を」
三好
「ありさ様に続いて、私が取り上げさせていただきます」
神谷
「あすかちゃーん!
幸祐は?
幸祐はどこだ!」
ありさ
「お父様、まだかすみのお腹の中よ」
神谷
「あすかちゃん、がんばれよ!」
かすみ
「おじさま…そろそろかすみって…覚えてっ…ぃてて」
神谷
「わかったよ!あすか!がんばれ!」
圭祐に手を握っていてもらう。
かすみ
「なんか尻で回転してるぅ」
三好
「頭が見えてきましたよ」
ありさが額の汗を拭いてくれる。
ありさ
「かすみ、がんばれ!」
かすみ
「あのさぁ…
ありさの部屋、帰る」
ありさ
「…あ゛?」
三好
「姫、もう少しです」
ありさ
「あなたは絶対、ママのようにさせない。
ずっとそばで生きてもらうから」
かすみ
「もぅ早く帰りたぁい!(-_-#)」
三好
「出てきました!」
みんな赤ちゃんにかけよる。
青黒い小猿の口から羊水が出されると真っ赤な顔をして産声を上げた。
三好
「さあ、お乳を飲ませてあげて」
胸の上に小猿が置かれる。
一生懸命、お乳を吸い始めた。
かすみ
「圭ちゃんの赤ちゃん」
ありさ
「うわー、ほんとに飲んでるぅ!(・∀・)」
圭祐
「ありさ姉さん、18歳違いの弟…親子だなぁ(^o^)」
ありさ
「そしたらお父様はおじいちゃんよ」
神谷
「おじいちゃんなんて言うなよ、私の息子なんだから(^^ゞ」
医者の処置が終わり、幸祐を囲んで大賑わい。
圭祐
「2人で育てられなくても、生かせてくれてありがとう、かすみ」
久しぶりのキスをした。
かすみ
「許せるの?こんな契約に」
圭祐
「おろすより、契約でも生かせてくれた方がうれしい」
かすみ
「ありがとぅ」
圭祐
「でも俺たちの戦いはこれからだからな」
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2007年11月01日
別れ
幸祐との生活は1ヶ月。
オギャー、オギャー
かすみ
「幸祐、腹減ったかぁ?」
ありさ
「ちょっとぉ!私の弟にちゃんとした口聞いてよ」
かすみ
「では、幸祐様、母乳のぉ時間でござぃますですわょ」
ありさ
「だはははは、ダメダメ!
全然使えてないし、かすみには似合わないって(笑)」
ありさの母は、幸祐の出生とともに死亡届が出された。
お産による、死去。
世の中にはそう報じられた。
幸祐は一生懸命、お乳を吸う。
かすみ
「かわいぃね(*^.^*)」
ありさ
「ほんと(*'-')」
かすみ
「ぼーっと見てないで、ほら!
オムツとおしりふき。
あと、ガーゼもね」
ありさ
「ガーゼ?
…このハンカチ?」
かすみ
「そうそぅ、
それを肩にかけて、はい、バトンタッチ!」
ありさ
「えっえっ?」
ありさの肩に幸祐のあごを乗せ、抱かせる。
かすみ
「背中さすってょ(*≧m≦*)」
ありさ
「ど?どぅ?」
かすみ
「優しく撫でればいぃからね♪」
ありさ
「えっえっ?こぅ?」
ありさはとりあえず、背中をさすると、幸祐はげっぷをする。
ありさ
「赤ちゃん、げっぷできないの?」
かすみ
「そーよ、来月からお母さんなんだから。
あと2時間したらオムツ変えて、粉ミルクあげること!
あ、それからオムツ変えといてね。
さっき、いぃ音したから(笑)」
かすみはクスッと笑って布団をかぶる。
夜中の授乳で眠くて仕方ない。
ありさ
「…ギャー!
かすみ!うんち!
うんちがみどりぃ〜!」
かすみ
「それも普通だから(笑)」
悪戦苦闘のありさにため息をついた。
8月9日…幸祐を手放す日。刻一刻と迫っている。
幸祐にわく愛情を踏みつけるように目をつぶる。
これが終われば、圭ちゃんの後輩でS大に入れる…
フルートも好きなだけ続けられる。
パパやママにも会える。
かすみ
「すべてかすみじゃなぃ、あすかの契約なのよ…スポンサーとの」
オギャー、オギャー
かすみ
「幸祐、腹減ったかぁ?」
ありさ
「ちょっとぉ!私の弟にちゃんとした口聞いてよ」
かすみ
「では、幸祐様、母乳のぉ時間でござぃますですわょ」
ありさ
「だはははは、ダメダメ!
全然使えてないし、かすみには似合わないって(笑)」
ありさの母は、幸祐の出生とともに死亡届が出された。
お産による、死去。
世の中にはそう報じられた。
幸祐は一生懸命、お乳を吸う。
かすみ
「かわいぃね(*^.^*)」
ありさ
「ほんと(*'-')」
かすみ
「ぼーっと見てないで、ほら!
オムツとおしりふき。
あと、ガーゼもね」
ありさ
「ガーゼ?
…このハンカチ?」
かすみ
「そうそぅ、
それを肩にかけて、はい、バトンタッチ!」
ありさ
「えっえっ?」
ありさの肩に幸祐のあごを乗せ、抱かせる。
かすみ
「背中さすってょ(*≧m≦*)」
ありさ
「ど?どぅ?」
かすみ
「優しく撫でればいぃからね♪」
ありさ
「えっえっ?こぅ?」
ありさはとりあえず、背中をさすると、幸祐はげっぷをする。
ありさ
「赤ちゃん、げっぷできないの?」
かすみ
「そーよ、来月からお母さんなんだから。
あと2時間したらオムツ変えて、粉ミルクあげること!
あ、それからオムツ変えといてね。
さっき、いぃ音したから(笑)」
かすみはクスッと笑って布団をかぶる。
夜中の授乳で眠くて仕方ない。
ありさ
「…ギャー!
かすみ!うんち!
うんちがみどりぃ〜!」
かすみ
「それも普通だから(笑)」
悪戦苦闘のありさにため息をついた。
8月9日…幸祐を手放す日。刻一刻と迫っている。
幸祐にわく愛情を踏みつけるように目をつぶる。
これが終われば、圭ちゃんの後輩でS大に入れる…
フルートも好きなだけ続けられる。
パパやママにも会える。
かすみ
「すべてかすみじゃなぃ、あすかの契約なのよ…スポンサーとの」
Posted by かすみ at
22:54
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2007年11月01日
8月9日
神谷に言われるがままに、幸祐が眠る時間に部屋を出た。
かすみには「安曇野かすみ」に戻る日がきた。
玄関につけられたリムジンに乗り、スクール近くのマンションへ。
運転手
「お疲れ様でした」
かすみ
「じゃぁね」
言われた部屋に入ると、すっかりかすみの家具がうつされていた。
ワンルームの、静かな部屋。
部屋で練習することもできる。
帰り際に、神谷から受け取った封筒には、200万。
かすみ
「あははっ、200万なんだ…」
かすみは封筒を壁に投げつける。
かすみ
「あたしと圭ちゃんの愛情は…200万なんだ…」
涙があふれてくる。
胸も張って、母乳がしみでてくる。
かすみ
「幸祐は200万の子供?!
あたしには、たったひとりの圭ちゃんとの子供なのに…
バカにしないで…
バカにしないでよぉ…」
かすみは一晩中、泣いた。
あふれてくる母乳を泣きながら絞り出し、自分は母親なんかじゃない…と繰り返した。
張る胸の痛み。
あふれ出る母乳。
かすみ
「幸祐、幸祐…」
キッチンに備えられた包丁で胸をかっ裂いてしまおうか…握りしめては幸祐が無邪気にお乳を吸う姿を思い、泣いた。
あたしの家具が揃った部屋なら…
机の二段目。
水野あすかの締めの薬。
ブチブチブチ。
ヒートシールを破り、口にする。
そぅ、あたしは水野あすか…。
幸祐の命と引き換えに、死ぬの。
ありさのお母さんのように…。
もう1シート…手を伸ばし、意識をなくした。
かすみには「安曇野かすみ」に戻る日がきた。
玄関につけられたリムジンに乗り、スクール近くのマンションへ。
運転手
「お疲れ様でした」
かすみ
「じゃぁね」
言われた部屋に入ると、すっかりかすみの家具がうつされていた。
ワンルームの、静かな部屋。
部屋で練習することもできる。
帰り際に、神谷から受け取った封筒には、200万。
かすみ
「あははっ、200万なんだ…」
かすみは封筒を壁に投げつける。
かすみ
「あたしと圭ちゃんの愛情は…200万なんだ…」
涙があふれてくる。
胸も張って、母乳がしみでてくる。
かすみ
「幸祐は200万の子供?!
あたしには、たったひとりの圭ちゃんとの子供なのに…
バカにしないで…
バカにしないでよぉ…」
かすみは一晩中、泣いた。
あふれてくる母乳を泣きながら絞り出し、自分は母親なんかじゃない…と繰り返した。
張る胸の痛み。
あふれ出る母乳。
かすみ
「幸祐、幸祐…」
キッチンに備えられた包丁で胸をかっ裂いてしまおうか…握りしめては幸祐が無邪気にお乳を吸う姿を思い、泣いた。
あたしの家具が揃った部屋なら…
机の二段目。
水野あすかの締めの薬。
ブチブチブチ。
ヒートシールを破り、口にする。
そぅ、あたしは水野あすか…。
幸祐の命と引き換えに、死ぬの。
ありさのお母さんのように…。
もう1シート…手を伸ばし、意識をなくした。
Posted by かすみ at
22:57
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2007年11月03日
病院
ピッピッピッ…
真っ白な天井…どこ?
おぇっ
かすみは口に何か押し込められていることに気づぃた。
かすみ
「わわうわー!わうわぉー!(邪魔くせー!外せょー!)」
話したくても何も言えない。
それより吐き出したい。
誰もいない真っ白な部屋。
何かに繋がれた腕で無理矢理口元のテープをはがし、管を引き抜いた。
痛いっ。
かすみ
「うっ…うげぇ…」
吐き気に吐くが、何も出ない。
ピーピーピー
かすみにつないだ装置から異音がした。
看護士
「先生、かすみさん」
医者
「わかった」
医者は部屋に駆けつける。
かすみは点滴だらけの手で両腕に巻かれた包帯をほどき、ガーゼを引き剥がした。
かすみ
「痛っっ!」
無数の切り傷。
医者
「気がつきましたか?」
かすみ
「なんでこんなとこにいるのよ、あたしがっ!
早く部屋に返してよ!
フルートの練習しなくちゃいけないんだから!
それから何!この腕?
きれいな腕が台無しじゃなぃ!(-_-#)」
医者
「昔のかすみさんに戻りましたね。
覚えてますか?
あなたは部屋でクスリを大量に飲み、包丁で腕を切った…」
かすみ
「知らん!
でも薬は飲んだわよ!
とにかく、ふざけんじゃないわよ。
あんなに一生懸命育ててかわいがった幸祐が200万なんて」
涙が溢れてくる。
かすみ
「…ふざけんな!
こんなとこ今すぐ出てくから!」
医者
「まだ契約はすべて終わってませんよ。
でも十分、学校に戻れますね。
これから、高校卒業と部活入試の準備に入ります」
看護士
「薬の中和に活性炭飲ませたから、黒い便が出ても驚かないでね」
いつもの運転手に迎えられ、部屋に戻った。
どんなにあがいても、まだあたしは契約の期間内なんだ…。
部屋のベッドで泣き眠った。
契約…
約束以上の恐ろしぃ言葉。
Posted by かすみ at
00:42
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2007年11月03日
お金を稼ぐこと
10月。
圭祐は封筒を開けた。
S大からの合格通知。
複雑だった。
かすみともっと離れてしまぅ…。
今だって、神谷のスクールで出入りは自由でも、隣の県と距離はある。
かすみのフルートのヘッドを持って、家を出た。
小さな町工場。
圭祐
「かすみの父さん!」
かすみの父
「圭祐くん、久しぶりだね」
圭祐
「お願いがあって来ました…」
フルートのヘッドを差し出す。
圭祐
「これを指輪に加工できますか?」
かすみの父
「シルバーか…よし」
圭祐
「ぼくにやらせてください」
かすみの父
「危ないし、難しいぞ」
圭祐はうなずく。
かすみの父
「…よし、来い」
油臭い作業服を借り、ヘッドを切断したり、磨いたり。
人生、初めての仕事だ。
圭祐
「これに刻印とか、できますか?」
かすみの父
「難しいが、圭祐くんはなかなか器用だから、できるだろう」
10月だというのに、工場はとても熱い。
彫刻機を借りて、四苦八苦しながら、文字を彫る。
役職者の父と莫大な遺産を残した祖父。
圭祐はお金に無頓着だった。
お金に汗なんてナンセンスだと思っていたが。
圭祐
「できた!
ありがとうございました!!」
圭祐は電車に乗った。
2ヶ月、かすみに会わなかった圭祐は部活試験に必死だった。
合格をもらい、かすみを思った。
へし折れた150万のフルート。
アイツなりに両親を思ったのか…
好きでもない男に抱かれる…そんなことまでしてお金を稼ぐ。
乗り継ぎのバスを降り、かすみのいるマンションへ駆け込む。
圭祐
「かすみ!」
ドアを叩いた。
かすみ
「圭祐?」
圭祐
「いいかな?」
かすみ
「いいけど…」
かすみはドアを開けた。
かすみ
「圭ちゃん、パパクサぃ…」
圭祐
「報告があってさ。
俺、S大、合格したよ。」
かすみ
「やったぁぁぁ!」
圭祐
「あとひとつ!」
ポケットから、2つの不格好な指輪を出す。
圭祐
「左手!」
かすみ
「左手?」
かすみは不思議そうに出す。
圭祐はその不格好な指輪を薬指にはめた。
圭祐
「かすみの番!」
かすみは不格好な指輪をつまみあげる。
かすみ
「何か書いてある」
kasumi&keisuke&kohsuke since 9.Jul.
圭祐
「俺だって、幸祐のこと、悔しいよ!
俺たちが親じゃないか。
ずっと苦しくて…
でもかすみはもっと苦しんだんだよな」
かすみは圭祐の薬指に指輪をはめた。
圭祐
「ありさ姉さんから聞いたよ、
オーバードラッグにリストカットで病院に運ばれたって」
かすみ
「……ごめんなさぃ」
圭祐
「だから、これを作った」
かすみ
「作ったの?」
圭祐
「あぁ、俺の人生初バイト。
お前が投げたフルートのヘッドをかすみの親父さんに教えてもらって、加工したんだぞ!」
圭祐は得意げに笑う。
かすみ
「パパに頼めば、もっときれいにできたのに」
ゲンコツ…
そして圭祐はかすみを抱きしめた。
かすみ
「油くさいょ」
圭祐
「そうだ、油臭いし、汗も臭うぞ!
ただ、お前がウリした気持ち、わかる気がした。
気持ち悪くても、嫌でも、お前なりのバイトだったんだって…」
かすみ
「はぁ…?」
圭祐
「結婚しておこう、離ればなれになる前に」
かすみ
「それで指輪…」
圭祐
「幸祐は死んだ…そう思って生きていくしかないよな、俺たち」
かすみ
「圭ちゃん?」
圭祐
「幸祐を奪われた苦しみは同じだ。
だけど、俺たちの大切な子供なんだ。」
圭祐は泣いていた。
悲しみは自分だけじゃなかった…かすみは声をあげ泣いた。
圭祐
「かすみ…俺を夫と認めるか?」
かすみ
「うん」
圭祐
「かすみは俺の妻だ」
かすみ
「つま…」
かすみ
「つま?つまって、刺身の大根じゃないつま?
毒みたいな漢字のつま?!」
圭祐
「ま、かすみは妻より毒かな?」
かすみ
「嫁さんの妻?」
圭祐
「お前、話の前後、聞いてろよ」
かすみ
「聞いてたわよ…あたしが圭ちゃんの妻?
奥さんなの?」
圭祐
「それで優秀だったうちの学校が知れん」
かすみ
「やったー!
あたし、圭ちゃんのお嫁さんだぁ!」
圭祐
「…お前には、妻って言葉は難しすぎたな」
指輪をずっと眺めるかすみを圭祐は抱きしめた。
2人で、もう一度、すべてをやり直そう…
失った幸祐に恥じない人生を歩むために…。
圭祐は封筒を開けた。
S大からの合格通知。
複雑だった。
かすみともっと離れてしまぅ…。
今だって、神谷のスクールで出入りは自由でも、隣の県と距離はある。
かすみのフルートのヘッドを持って、家を出た。
小さな町工場。
圭祐
「かすみの父さん!」
かすみの父
「圭祐くん、久しぶりだね」
圭祐
「お願いがあって来ました…」
フルートのヘッドを差し出す。
圭祐
「これを指輪に加工できますか?」
かすみの父
「シルバーか…よし」
圭祐
「ぼくにやらせてください」
かすみの父
「危ないし、難しいぞ」
圭祐はうなずく。
かすみの父
「…よし、来い」
油臭い作業服を借り、ヘッドを切断したり、磨いたり。
人生、初めての仕事だ。
圭祐
「これに刻印とか、できますか?」
かすみの父
「難しいが、圭祐くんはなかなか器用だから、できるだろう」
10月だというのに、工場はとても熱い。
彫刻機を借りて、四苦八苦しながら、文字を彫る。
役職者の父と莫大な遺産を残した祖父。
圭祐はお金に無頓着だった。
お金に汗なんてナンセンスだと思っていたが。
圭祐
「できた!
ありがとうございました!!」
圭祐は電車に乗った。
2ヶ月、かすみに会わなかった圭祐は部活試験に必死だった。
合格をもらい、かすみを思った。
へし折れた150万のフルート。
アイツなりに両親を思ったのか…
好きでもない男に抱かれる…そんなことまでしてお金を稼ぐ。
乗り継ぎのバスを降り、かすみのいるマンションへ駆け込む。
圭祐
「かすみ!」
ドアを叩いた。
かすみ
「圭祐?」
圭祐
「いいかな?」
かすみ
「いいけど…」
かすみはドアを開けた。
かすみ
「圭ちゃん、パパクサぃ…」
圭祐
「報告があってさ。
俺、S大、合格したよ。」
かすみ
「やったぁぁぁ!」
圭祐
「あとひとつ!」
ポケットから、2つの不格好な指輪を出す。
圭祐
「左手!」
かすみ
「左手?」
かすみは不思議そうに出す。
圭祐はその不格好な指輪を薬指にはめた。
圭祐
「かすみの番!」
かすみは不格好な指輪をつまみあげる。
かすみ
「何か書いてある」
kasumi&keisuke&kohsuke since 9.Jul.
圭祐
「俺だって、幸祐のこと、悔しいよ!
俺たちが親じゃないか。
ずっと苦しくて…
でもかすみはもっと苦しんだんだよな」
かすみは圭祐の薬指に指輪をはめた。
圭祐
「ありさ姉さんから聞いたよ、
オーバードラッグにリストカットで病院に運ばれたって」
かすみ
「……ごめんなさぃ」
圭祐
「だから、これを作った」
かすみ
「作ったの?」
圭祐
「あぁ、俺の人生初バイト。
お前が投げたフルートのヘッドをかすみの親父さんに教えてもらって、加工したんだぞ!」
圭祐は得意げに笑う。
かすみ
「パパに頼めば、もっときれいにできたのに」
ゲンコツ…
そして圭祐はかすみを抱きしめた。
かすみ
「油くさいょ」
圭祐
「そうだ、油臭いし、汗も臭うぞ!
ただ、お前がウリした気持ち、わかる気がした。
気持ち悪くても、嫌でも、お前なりのバイトだったんだって…」
かすみ
「はぁ…?」
圭祐
「結婚しておこう、離ればなれになる前に」
かすみ
「それで指輪…」
圭祐
「幸祐は死んだ…そう思って生きていくしかないよな、俺たち」
かすみ
「圭ちゃん?」
圭祐
「幸祐を奪われた苦しみは同じだ。
だけど、俺たちの大切な子供なんだ。」
圭祐は泣いていた。
悲しみは自分だけじゃなかった…かすみは声をあげ泣いた。
圭祐
「かすみ…俺を夫と認めるか?」
かすみ
「うん」
圭祐
「かすみは俺の妻だ」
かすみ
「つま…」
かすみ
「つま?つまって、刺身の大根じゃないつま?
毒みたいな漢字のつま?!」
圭祐
「ま、かすみは妻より毒かな?」
かすみ
「嫁さんの妻?」
圭祐
「お前、話の前後、聞いてろよ」
かすみ
「聞いてたわよ…あたしが圭ちゃんの妻?
奥さんなの?」
圭祐
「それで優秀だったうちの学校が知れん」
かすみ
「やったー!
あたし、圭ちゃんのお嫁さんだぁ!」
圭祐
「…お前には、妻って言葉は難しすぎたな」
指輪をずっと眺めるかすみを圭祐は抱きしめた。
2人で、もう一度、すべてをやり直そう…
失った幸祐に恥じない人生を歩むために…。
Posted by かすみ at
00:52
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2007年11月03日
スクール
精神的に落ち着き、スクールへ通い出したかすみ。
オンボロフルートでも、ぐんぐん、才能をのばしはじめた。
学力は…国語はダントツにイマイチだが。
みさき
「かすみさん、結婚なさってるんですか?」
クラスメイトの上田みさきに声をかけられた。
かすみ
「え?」
みさき
「その左手の薬指…」
かすみ
「あ…これ?
う〜ん、なんてーの?
事実婚みたぃなぁ…
つーか、超ハズィ!(*≧▽≦*)」
みさき
「でも、なぜかすみさんのG線上のアリアはそんなに悲しげなんですか?」
かすみ
「悲しぃ?
んなわけなぃよぉ(笑)」
先生
「あくもの!」
かすみ
「安曇野です」
先生
「また名前間違えてたぞ。
それからこの…飛び抜けた国語のできなさ。
なんだぁ?↑↑」
みさき
「かすみさん」
みさきが先にテストをキャッチする。
みさき
「かすみさん、事実婚なんて洒落たこと言ぅ前に、漢字勉強しなくちゃ。
子供にバカにされちゃうよぉ。
妻を毒なんて、ギャグじゃなぃんだから…かすみさ…」
かすみの目から涙があふれていた。
かすみ
「幸祐は死んだの、死んだんだってば…」
脳裏にまだ焼き付く、幸祐の姿。
みさき
「かすみさん、どうしたの?」
先生
「いつも通りに叱ったはずだが…」
先生もポカンとしている。
かすみ
「みさきさん、一緒に吹きません?」
かすみは涙を浮かべたまま、笑った。
みさき
「え?」
かすみ
「アンナ・マデリーナ」
悲しいはずなのに、いつもより音が伸び、完璧なまでに吹き終える。
かすみ
「みさきさん?」
みさきは涙を流している。
みさき
「こんなに切ない曲だった?」
かすみ
「え?」
みさき
「モーツァルトが溺愛した奥さんに送った曲なのに…。
こんなに苦しくて、切なぃ曲だった?」
かすみ
「あたしが溺愛した、息子に送ったから…。
天に召された彼のため…。」
かすみも涙をこらえきれない。
幸祐…会いたいょ…
幸祐…あたしがママだょ…
どこにいるの?
目を閉じれば…まだ生まれたての幸祐…。
かすみはその場に泣き崩れた。
オンボロフルートでも、ぐんぐん、才能をのばしはじめた。
学力は…国語はダントツにイマイチだが。
みさき
「かすみさん、結婚なさってるんですか?」
クラスメイトの上田みさきに声をかけられた。
かすみ
「え?」
みさき
「その左手の薬指…」
かすみ
「あ…これ?
う〜ん、なんてーの?
事実婚みたぃなぁ…
つーか、超ハズィ!(*≧▽≦*)」
みさき
「でも、なぜかすみさんのG線上のアリアはそんなに悲しげなんですか?」
かすみ
「悲しぃ?
んなわけなぃよぉ(笑)」
先生
「あくもの!」
かすみ
「安曇野です」
先生
「また名前間違えてたぞ。
それからこの…飛び抜けた国語のできなさ。
なんだぁ?↑↑」
みさき
「かすみさん」
みさきが先にテストをキャッチする。
みさき
「かすみさん、事実婚なんて洒落たこと言ぅ前に、漢字勉強しなくちゃ。
子供にバカにされちゃうよぉ。
妻を毒なんて、ギャグじゃなぃんだから…かすみさ…」
かすみの目から涙があふれていた。
かすみ
「幸祐は死んだの、死んだんだってば…」
脳裏にまだ焼き付く、幸祐の姿。
みさき
「かすみさん、どうしたの?」
先生
「いつも通りに叱ったはずだが…」
先生もポカンとしている。
かすみ
「みさきさん、一緒に吹きません?」
かすみは涙を浮かべたまま、笑った。
みさき
「え?」
かすみ
「アンナ・マデリーナ」
悲しいはずなのに、いつもより音が伸び、完璧なまでに吹き終える。
かすみ
「みさきさん?」
みさきは涙を流している。
みさき
「こんなに切ない曲だった?」
かすみ
「え?」
みさき
「モーツァルトが溺愛した奥さんに送った曲なのに…。
こんなに苦しくて、切なぃ曲だった?」
かすみ
「あたしが溺愛した、息子に送ったから…。
天に召された彼のため…。」
かすみも涙をこらえきれない。
幸祐…会いたいょ…
幸祐…あたしがママだょ…
どこにいるの?
目を閉じれば…まだ生まれたての幸祐…。
かすみはその場に泣き崩れた。
Posted by かすみ at
23:21
│Comments(0)
2007年11月03日
過去〜上田みさき〜
部屋に帰ったみさきはまだ泣いていた。
愛する人のために捧げた曲がこんなに悲しいなんて…。
不登校児、上田みさきは親の勧めでこのスクールに来た。
フルートを続けたい…それだけで。
RRRR...RRRR...
みさき
「もしもし」
みなみ
「もっしー?ねぇね?」
みさき
「みなみ、元気だった?」
みなみ
「うん、とっても。
ジャズドラムは相変わらず難しぃけど。
恋しちゃったんだぁ(*^.^*)」
みさき
「恋?」
全寮制の女性のみのスクール…。
昼はOLで夜にレッスンて人も少なくなぃ。
みさき
「あなた、かすみさんと同じ高校よね?」
みなみ
「そう!
そこのトランペッターの茅野先輩!
めっちゃかっこいぃけど、彼女いるみたぃ…。
左の薬指に指輪していて、指摘すると先生にまで逆らうの。」
みさき
「かすみさんも左手に…」
みなみ
「そぅ、安曇野さんて彼女らしぃんだよね!
でも転校して、茅野先輩、ほとんど会えないみたぃ。
てか、あたし、かなり狙い目じゃなぃ?」
みなみの弾む声。
みさき
「そうね、
あ、レッスンの時間だから、また連絡してね」
受話器を置いたみさきは涙が止まらなかった…
溺愛しても失った…泣き崩れたかすみを思い出す。
あんなことさえなければ私だって…
愛する人のために捧げた曲がこんなに悲しいなんて…。
不登校児、上田みさきは親の勧めでこのスクールに来た。
フルートを続けたい…それだけで。
RRRR...RRRR...
みさき
「もしもし」
みなみ
「もっしー?ねぇね?」
みさき
「みなみ、元気だった?」
みなみ
「うん、とっても。
ジャズドラムは相変わらず難しぃけど。
恋しちゃったんだぁ(*^.^*)」
みさき
「恋?」
全寮制の女性のみのスクール…。
昼はOLで夜にレッスンて人も少なくなぃ。
みさき
「あなた、かすみさんと同じ高校よね?」
みなみ
「そう!
そこのトランペッターの茅野先輩!
めっちゃかっこいぃけど、彼女いるみたぃ…。
左の薬指に指輪していて、指摘すると先生にまで逆らうの。」
みさき
「かすみさんも左手に…」
みなみ
「そぅ、安曇野さんて彼女らしぃんだよね!
でも転校して、茅野先輩、ほとんど会えないみたぃ。
てか、あたし、かなり狙い目じゃなぃ?」
みなみの弾む声。
みさき
「そうね、
あ、レッスンの時間だから、また連絡してね」
受話器を置いたみさきは涙が止まらなかった…
溺愛しても失った…泣き崩れたかすみを思い出す。
あんなことさえなければ私だって…
Posted by かすみ at
23:37
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