2007年10月25日

契約1

かすみの母
「かすみったら、まだ帰って来ないし、ありさちゃんちに電話しても誰も出ないし(´□`)」


ピンポーン

かすみの母
「かすみ、休んでるからって…(-_-#)」

ガチャッ



「安曇野かすみ様のお宅ですね?」


ママ
「…は…はいΣ( ̄□ ̄)!」



「申し遅れました。
私、N市にあるフリースクール神谷の校長の神谷です。
実は、かすみさんのことでお願いに参りました。」


校長の後ろにかすみがいた。



かすみの母
「とりあえず、おあがりください…」



居間に両親。
隣に校長。


すっげぇキンチョーするんだけど。


あたしの役目ゎ両親に懇願してN市のフリースクールでフルートの勉強をしたいと訴える…演技。



圭ちゃんの赤ちゃんが死なずに済む、唯一の方法。



校長
「実は神谷コーポレートの社長の娘のありさのことはご存知ですよね」


かすみの母
「えぇ、かすみの親友で…」



校長
「先日、ありさの方から紹介されまして、演奏を聞かせていただきましたが、なかなかの素質がおありで。
ぜひ、我が校の音楽科へ転校させていただきたい」


かすみの父
「でも費用は…」


校長
「特待生として、全面負担します。
家もありさの部屋が開いてますから、神谷の家での生活です。」



出番だ…


かすみ
「あたし、自分の可能性にかけたいの!お願い!パパママ、転校させてm(_ _)m」


校長
「私からもお願いいたしますm(_ _)m」



トントン…


足音がした。


ありさ
「はじめまして、私がありさです。
かすみがフルート好きなのは誰より知ってるつもり。
だから私がこんなお願いしたんです。
お願いします、かすみを転校させてあげてください!m(_ _)m」



ありさが土下座している…。
あの大企業の娘だょ?
あたしぉ脅して…なんで?


とりあえず、かすみも負けじと頭を下げた。


両親は根負けして、転校の手続きをとった。



数日後。
かすみも部屋を片付け、パパに買ってもらった、オンボロフルートをかばんに入れた。



かすみ
「パパ、ママ、行ってきます!(/_;)/~~」



リムジンの迎えに泣きながら、かすみは両親に手をふった。



ありさ
「さすが、ウリと優等生ができた人ね(-。-)y-゜゜゜」



窓を少しあけ、タバコの煙りを吐いた。



運転手
「お嬢様、かすみ様のお体に障ります」


ありさ
「あら、そうね。
大切な神谷の跡取りのいる体ですもの」



かすみはずっとうつむいていた。



鴨ネギゎとても不味ぃ…
  

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2007年10月26日

契約2

N市郊外のありさの家。
家なんてものじゃない、アミューズメントパークかってなデカさ。


かすみ
「壷が何千個あったって、足りやしなぃ…」



車は門をくぐって、玄関についた。
と、同時にドアがあき「おかえりなさいませ」と声がかけられた。



…つぅか、ありさ、何者??((((゜д゜;))))



二階の一室にすでにかすみの荷物が運び込まれていた。



…てか、あたしんちて、どぉーっての??(°∇°;)



住んでいたころは、ゴチャゴチャ狭い部屋だったのに、邪魔だった家具が小さくみえる。



神谷
「用事はすべて三好に頼みなさい、あすかちゃん」



三好
「奥様のお役に立てて光栄です」



かすみ
「あの奥様って」



三好
「今日からあなたは社長夫人になっていただきます。」



かすみ
「やだねっ!
だって、ありさのお母さんは生きてるんでしょ?」



三好
「はぁ…
もうすぐ、お医者様がいらします。そのあとにレッスンです」



三好が金のフルートを差し出す。



かすみ
「いや!
パパのフルートでなくちゃ吹けない!」



美好
「いつまで続けられますか…お医者様がお見えです。」
  

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2007年10月26日

契約3

医者
「わかりますか?心臓です。
3ヶ月…順調に育ってますが、奥様の栄養状態が悪いので、しばらく点滴としっかりと食事をしてもらいます。
今日の予定はすべてキャンセルで」



美好
「かしこまりました」



エコーって機械を股に入れられ、小さな心臓が動くのを見たかすみは、複雑な気持ちになってゆく。



圭ちゃんとあたしの子…



なのに、ありさの兄弟。


医者は帰った。


かすみ
「みよっちゃんさー、ロングトーンくらぃさせてょ」



三好
「三好です!奥様」



かすみ
「てか、あたし、堅苦しぃのダメなのね。
みよっちゃんて呼ぶのがイヤなら出て行くから♪」



三好
「ダメです、奥様」



かすみ
「奥様じゃない!
か・す・み!
ありさのお母さん、生きてるんでしょ?」


三好
「えぇ、まあ…」



かすみ
「だったら、あたしもかすみって呼んでょ」



三好
「かすみ様」



かすみ
「かすみ!」


三好
「かすみさ…」


かすみ
「わかった!
10歩譲って、姫!」


三好
「それは100歩の…」


かすみ
「てなわけで、みよっちゃんと姫。
決まりぃ!↑」



ママより年上の三好は眉間にシワを寄せながら、かすみの言ったバッグからフルートを出した。



パパの買ってくれたフルート。



少しくらぃならいぃかな?



ロングトーン。



久々の音。



かすみ
「みよっちゃん、あたしのかばんからメトロノーム出して」



三好
「メトロノーム?」



かすみ
「薄っぺらのあるでしょ?」



三好
「これはページャー」



かすみ
「つぅか、ページャーって、何?
かなり意味不明〜(笑)
それそれ!」



80に数字を合わせて、ロングトーンとタンギング。



懐かしぃな。



ふっと体の力が抜け、眠りこんだ。



三好
「ありさお嬢様より世話が焼けそうですわ(-"-;)」



三好はヘッドを片付ける…
  

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2007年10月27日

回想1

三好
「奥様、もう少しでお医者様が参ります、しっかりなさって!」



ありさの母
「苦しい…赤ちゃんは」


三好
「もう頭が出ています。奥様、もう一息。」


ありさの母
「ハッハッ…もぅダメ…」



三好
「奥様、お嬢様ですよ…奥様!

奥様ぁー!!」



真っ青の顔。



三好の叫び声に、医者が走って入ってきた。



産声をあげる女の子。



その横で意識を失っているありさの母の異変に、医者は措置を施したが、すでに意識は戻らず脳死に近い状態になっていた。



この屋敷に奥様が眠る部屋がある…ありさも近づけなかった部屋。
そこにありさの母はたくさんの器具、装置につながれている。



ありさには母親は具合が悪く、遠い病院の無菌室に入れられていると、三好はずっと伝えてきた。



三好
「姫も奥様みたいなことに…」



今でも物心ついたありさが「お母様に会いたい」と毎日泣きじゃくった姿を思い出す。



参観会も自分が行き、そのたびにありさはいじめられた。


ありさ
「ありさには母親がいないんでしょ?
三好、もう来なくていいよ」



6歳のありさ。
ありさの父親が経済誌のインタビューで母親が入院していると話し、さほどのいじめはなかったが、遠足は絶対に行かなかった。



ありさ
「私だけ、お母様のお弁当じゃないから」



そうつぶやいて本に向かう。
いつしか遠足の連絡通知すら、持って帰らなくなっていた。



眠るかすみに、ありさの母を思う。



この18年間、隠すことでありさは幸せだったのか…
  

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2007年10月27日

回想2

中学時代…
短距離スプリンター、安曇野かすみ



…地区では有名人だった。
三年の最後の大会を前に、記録更新だけをしてなかったかすみ。



最後の目標…として、三年スプリンター、記録更新を夢見た矢先。



心因性喘息を発症した。



緊張から喘息を起こし、ひどいと吐いてしまう状況。
プレッシャーの弱さ…それ以前に幼い頃から肺にある雑音。


体力も落ちるだけのかすみは、大会目の前に、退部を余儀なくされた。



なにげなく余暇を余して通ったゲーセンで、ありさと出会った。
とっさに「水野あすか」と隠した自分。
ありさに誘われ、ダーツバー、クラブへと通ぅうちに小遣いも貯金も底をつきて、しばらくありさの世話になった…代わりに「愛してくれ」と言われた。



中学生のかすみにはバイトもままならない。
ただ必死に愛を与えた。
まだ自分さえも男性を知らない体だったが、必死の愛が伝わったありさのとろけるよぅな目が好きだった。



ありさの通う高校に行きたかったがランクが高すぎ、ランクを落とした。


入学式。


先輩
「あの子、かわいくない?(≧∀≦)↑↑」



金髪のかすみはかなり目立った。
学年2位で入学に金髪くらぃアリでしょ?



かすみ得意の「自己理論」



吹奏楽部の先輩に連れられ、音楽室へ。


先輩
「茅野、好みだろ?」


茅野圭祐。
吹奏楽経験者で知らないヤツはモグリのトランペッター。



テラスでレッスンの練習をしていた無表情の圭祐は振り返る。


圭祐
「俺、茶髪パス…てか金髪却下」



サイコーにむかつく男だった。
こんないけ好かん男と一緒に部活なんてイヤだ!絶対入んないから!



かすみが背を向けたところに圭祐が立ちはだかった。


圭祐
「なぁ、金髪?
俺と一緒に部活推薦でS大行けたら、存在を認めてやる」



カチンときたかすみは即刻、入部して、お金がかからなそうな一番安いフルートをパパに買ってもらい、必死に練習した。


いけ好かん、茅野に恥かかせてやる!


そんな1年の7月。


圭祐
「金髪小僧、ちょっと来い!」



テラスに呼び出され、喧嘩半分に練習した。



ドビュッシーの「海」


難しい旋律。



何度も何度も家でさらい、テスト期間もさらい、国語は見事な赤点もらって。
それでも、この曲に魅せられて、何度もさらった。


かすみは高音域に不思議強さがあった。


圭祐
「あんまり詰めると疲れるから休めよ(笑)」



かすみ
「いけ好かん、アンタに負けたくない!」


圭祐は笑って、ある曲を吹き出す。


かすみの瞳から涙がこぼれ落ち…



圭祐は親指で涙を拭い、長いキスをした。


好きも何もない、ただ互いがライバルであり、愛すべき人に変わっていた。


荒削りなかすみの能力を認め、圭祐は先輩との言い争いも辞さない姿にかすみはさらに練習を続けた。



守ってくれる圭祐のために、答えるのが愛。
無償の愛…。



かすみ
「バカップルやったなぁ…圭ちゃんとは…」



朝のキス。
休み時間のキスは先生にぶん殴られて。
おやすみのキス。



圭ちゃんの赤ちゃんがあたしの中にいる。
圭ちゃん、会いたぃよ…


かすみ
「圭ちゃん!」



閑散とした神谷のうち。
三好はうたた寝タイム。



別れよぅ…一方的なあの言葉を思い出し、かすみは布団をかぶって泣いた。



圭祐ゎ帰らないだろう…
  

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2007年10月27日

回想3

150万のフルート。



圭祐はなぜかそれを拾って帰った。
かすみの行方は誰も知らず、ウリをしてはらんだ…とか変な噂ばかりたつ。



いつの間にか、転校までしていた。



圭祐
「普通のかすみでよかったよ」



再起不能に折れ曲がったフルートに圭祐はつぶやく。
俺は親父が次男だったから、ただ神谷の名前を継がずに養子に出たから、茅野。



神谷の家を叩き出されて最期まで暮らした祖父が生前に買ってくれた、シルバーのトランペット。ハンドメイド。
値段なんか知らん。
ただ、祖父の形見。



かすみは一番オンボロなフルートを握っていた。
オンボロなくせに、かすみにかかると…心が洗われる気がした。



茶髪嫌いな圭祐が金髪のかすみにひかれたが。



圭祐
「おじさんと寝たのか…かすみは…俺のかすみは(-_-#)」



ロッカーに蹴りをくわえる。そうしたってかすみが帰ってくるはずもない。



俺より…おじさんがいいのか?



後輩
「茅野先輩!
まだ安曇野先輩のこと忘れられないんですか?」


圭祐
「ガキは黙ってろ」



後輩
「パーカスの上田っちが、先輩のこと、好きだって」



上田
「バカ!急に言わないでよ(〃▽〃)」



圭祐
「逆立ちで階段登るか、鼻から牛乳出せば考える…(-_-#)」



後輩
「茅野先輩、女を女って見てないでしょ?だから、安曇野…」


圭祐
「うるせー!ヽ(*`Д´)ノ」



圭祐は楽譜を投げつけた。
かすみがもしこのまま帰らないのなら…



いや、必ず帰る…



でも…



圭祐の自信は失いかけていた。
  

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2007年10月27日

真実3

すべて解約されてるかすみの携帯。



…直電すっか。

圭祐
「もしもし」

かすみの母
「圭祐くん?圭祐くんなのね!」

圭祐
「ママさん、どうしたの?」

かすみの母
「かすみ、ありさちゃんの家から学校に通ってるみたい…だけど」


圭祐
「だけど?」


かすみの母
「以前から不思議だったけれど、あの子の口座にとんでもない額が入金されてるの」


圭祐
「入金?」


かすみの母
「最初はちまちま、150万、最近は毎月きっちり50万ずつ、入金があるの」


圭祐
「毎月50万?」


かすみの母
「それから…圭祐くんにに言いづらいけど、



かすみ、妊娠してるんじゃないかと」


圭祐
「妊娠!!いつから?」


ママ
「休学してから、部屋で何度も吐いていたみたい

…もう5ヶ月になるかしら」


適当に計算しても、しっかり計算しても、別れたあのとき…それ以外考えられない。


圭祐
「ありさ姉さんち、行ってきます!必ず連れ戻します!」


かすみの母
「手紙の一通もないから、手紙くらい書くように伝えて」


圭祐
「わかりました!」



神谷は何を考えているのか?
どうしてかすみがありさ姉さんの家に。



妊娠…お金…。



圭祐
「かすみはおじさんに買われたのか?」



かすみを抱きしめる神谷の姿がわいてくる。



圭祐
「やめろ!!」



枕を壁に投げつけた。



財布にあり金を入れて、家を出ようとした。



圭祐の母
「圭祐、どこ行くの?」


圭祐
「ありさ姉さんち」



圭祐の母
「だったら、これ持って行ってちょうだい」



そうめん箱。



…なんでそうめん…
ま、行く口実にちょうどいい。



そうめん箱の入った紙袋を下げ、N市へ向かった。


到着は6時…。
必ずかすみを連れ戻す。
  

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2007年10月29日

屈折した愛1

神谷
「やぁ、圭祐。家に来るなんて久しぶりじゃないか」



圭祐
「これ、母から先日のお礼って届けに…」


そうめん箱は便利なもんだ。


神谷
「そんなに気を使わなくていいのに、ま、ゆっくりしてきなさい」



圭祐
「いえ、ぼくは別の用事できましたから」



圭祐は階段をかけあがる。


神谷
「圭祐!いきなりなんなんだ?」



圭祐
「かすみを連れ帰るんだよ」



神谷
「ダメだ!」


神谷は圭祐の後を追う。


圭祐
「かすみは俺の女だ。赤ちゃんも俺の子…」



かすかにロングトーンの音がした。


この部屋か…


圭祐
「かすみ!」



一番奥の部屋のドアを開ける。



三好
「圭祐坊ちゃん」


かすみ
「…圭ちゃん!?
どうして?
…あたし、酸欠してる?」

かすみは不思議そぅな顔をしている。


圭祐
「帰ろう!」


かすみの手をつかむ。


かすみ
「…あたし、帰れない。
帰れなぃの、圭ちゃん。
ごめんなさい…」



圭祐
「そんなにおじさんの方がいいのか?(怒)」



かすみ
「圭ちゃんとあたしの赤ちゃんが、唯一、生きられる方法。
ありさの兄弟として産むこと…


そしたら、あたし、圭ちゃんのところにもパパやママのところへ帰れる」



圭祐
「赤ちゃん…?」



かすみ
「今までのズルサのバチね(笑)
あんな汚いお金で圭ちゃんみたいなすごい楽器、手に入れようなんて。
でも今度はちゃんとした契約だから。


契約が終われば、S大へ進学させてもらえるし、今もここでレッスンも受けられてる。


…圭ちゃんが許してくれれば…の話だけどね」



かすみは少し膨らんだおなかに圭祐の手を当てた。

かすみ
「圭ちゃんの赤ちゃん。すっごく元気でね。
圭ちゃんみたいにおなかで、もぞもぞ動いて、すごく痛い(笑)」



圭祐はひざまずいておなかに耳を当てた。


俺の子供…


俺は父親なのか…


実感はイマイチわかない。


圭祐
「パパの声、聞こえるか?」



かすみ
「いたたたっ」



圭祐
「かすみ!?」



かすみ
「赤ちゃんが動いたの…圭ちゃんが、パパってわかってるよね」


圭祐
「…おじさんの子じゃないのか?」



かすみ
「ありさに頼んで、ピルも飲んでたし、ちゃんとゴムつけてもらってたよ(^^ゞ


ピルやめて、まさか2ヶ月で赤ちゃんできるなんて、思わなかったなぁ。」


かすみはそう笑っておなかをなでる。


かすみ
「幸祐くん、パパですよー」


圭祐
「こーすけ?」


かすみ
「そ、赤ちゃんの名前も決められるから、かすみと圭ちゃんの子供で幸祐」



圭祐
「意味わからん」



かすみ
「かすみのかすと圭のすけで、カススケは変でしょ?」



圭祐
「マヌケだ」



かすみ
「だから、圭ちゃんの赤ちゃんが産める、あたしの幸せな気持ちと、圭祐の名前と足して、幸祐」



圭祐
「幸祐かぁ…」



かすみ
「圭ちゃん、なんでウリなんかしてたあたしなのに、ここまで来たの?」


圭祐
「わからん…


かすみのこと、
おじさんのこと

…許せないよ。


だけど、それよりもかすみがそばにいてほしい。」



かすみ
「ありがと☆」



かすみは圭祐にキスをする。



三好
「姫…」



三好は呆れて、目を覆う。
圭祐とかすみは、何度もキスをした。


かすみ
「あと一年半で帰るから、圭ちゃん、大学で待ってて。
一年遅れて行くからね!」



三好
「姫、お医者様がお見えです。」



かすみ
「みよっちゃん、圭ちゃんにも赤ちゃん見てもらいたいの、いい?」



三好
「それは…」



かすみ
「じゃ、圭ちゃん帰ろうかぁ(*⌒▽⌒*)」



三好
「わかりましたぁ!(T^T)
もぅ…姫は」



かすみ
「ありさと育ちが違うんだから、いつもいつも比べないでよ!」



医者
「姫、ずいぶんとご機嫌よろしくて」


かすみ
「あ、紹介するね!
彼が赤ちゃんのパパ!」

医者
「あぁ、どうも」


かすみ
「ねぇねぇ、圭ちゃんに赤ちゃん見せてあげて!」


医者
「先に体重検査です!」


かすみ
「ケチ!」



圭祐
「お前、どこまで行ってもひねくれ者だな」


体重と尿検査をしてベッドに戻る。


医者
「体重も尿も問題なし。
ではお楽しみのエコーです。」


おなかにエコーを当てる。


医者
「ここが心臓、ほんとに初期から元気ですよ。
頭がこちら」



圭祐
「変な顔」



医者
「はははは、君も昔はこうだったんだよ。
それから、こっち。小さなひだみたいなものわかります?」


圭祐
「ギザギザ?」



医者
「赤ちゃんの指ですよ。もう足の指も形成されてますよ。
予定日は、7月上旬です。」



かすみ
「9日だといいね。
つきあった記念日だし(笑)」


圭祐
「そうだな。
…いい子になるぞ、俺に似て。」


かすみ
「違うよ、あたしに似るから!」


医者
「はいはい。それはあとになさってくださいね。
呼吸法の練習と乳房のマッサージをきちんとするようにね。」



かすみ
「はぁ〜い」


医者
「では失礼。」


かすみはずっと圭祐の手を握っていた。



神谷
「圭祐、そろそろ帰りなさい」


圭祐
「なんだよ、おじさん。
一晩くらい。」


神谷
「その子は神谷コーポレートの跡取りとして、生まれるんだ。
お前とあすかちゃんの子供じゃなくなる。

情が移る前に帰りなさい…」


圭祐
「おじさんはいつもそう、非情なんだな。

じいちゃんも社長を退いたら、ここから追い出して。

おばさんだって、この屋敷でつながれてるんだろ?

ありさ姉さんの気持ちもわからんのか!

…最悪だな!」



かすみ
「圭ちゃん、手紙書くから、もぅここには来ないで」


圭祐
「…かすみ」



かすみ
「圭ちゃんに会ったら、赤ちゃんを手放せなくなる。」



圭祐
「…わかったよ」



圭祐は神谷の家を飛び出した。



じいちゃんも叩き出されて、かすみも用が済んだら追い出されるのか…



最悪だ!
親父が帰りたがらない気持ちがわかる気がした。


最終の新幹線。
怒りに震える圭祐だが、エコーの赤ちゃんの姿になんとも言えない癒やしと幸せを感じた。


圭祐
「俺の子供…かぁ」
  

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2007年10月29日

手紙1

圭ちゃんぇ

元気ぃ?かすみだょ!
こーchan、7ヶ月になりました。写真送るね☆

最近、みよっちゃんのうたた寝タイムに部屋から逃亡していますっ!
だってずっと部屋でつまんないしぃ( ̄〜 ̄)

そうそう、3階があるって知ってた?屋上で芝が生えていて気持ちいぃんだぁ。

でも不気味な倉庫がある。なんだろぅ?

圭ちゃんは学校、どぅですか?
あたしががんばって、S大行って圭ちゃんいませんでしたじゃ、全然シャレになんないしぃ(笑)

おなかも大きくなって、フルートのレッスンは一時終了。
赤ちゃんの準備だょ。

ちょっとデブになったので、産んだらダイエットしなくちゃぁ!!
また手紙書くね。

かわいぃ☆かすみ


7ヶ月かぁ…
かなり大きくなったエコー写真を見て、息子のエイリアンっぷりに笑えてしまう。


でも…


圭祐
「あのうち、3階なんかあったかなぁ?
ありさ姉さんなら知ってるかも」
  

Posted by かすみ at 23:34Comments(0)

2007年10月29日

屈折した愛2

加奈子
「ありさ…好きだよ」


ありさ
「かなぁぁ〜、もっともっと意地悪して」


加奈子
「いぃよ、ここかな?」


ありさ
「もぉ…じらさないでぇぇ…」

あすかがいなくなり、加奈子の虜になっていたありさは、かすかな声をあげて果てる。


ありさ
「かな…抱いてぃて」


加奈子
「いいょ


…そのかわりにスナックに着ていく服、もうないんだ。貸してくれる?」


ありさは近くのバッグの財布から2万円引き抜く。


ありさ
「もぅ、これしかないの…」


加奈子
「働いて返すから!じゃ、行ってくるね」



…なんだったんだろ、あの日々は…。


思い出すだけで、体が熱くなるのに。


加奈子の部屋に行くともぬけの空だった。


なんで??


お母さんの経営するスナック…探しても見つからない。

近くの店に尋ねても、そんな店はないと言われた。

最後は携帯…



加奈子
「もっしー?」


ありさ
「かな、どこに行っちゃったの?
帰って来て」


加奈子
「あんた、もうお金ないんでしょ?」


ありさ
「え?」


加奈子
「あたしは愛なんかより、お金があればいいの、ネタがあれば頂くけど」


ありさ
「どういうこと?」



加奈子
「だまされてたって、まだ気づかないの?
お人好しなお嬢様♪」


ありさ
「だましてたって…」



加奈子
「大企業の社長令嬢なら、週刊誌ネタにも尽きないし、むしろ、好都合。
今度はあたし達の関係でもネタにしようかな…
写メもたくさんあるし。」


ありさ
「かな…」


加奈子
「世間知らずもほどほどがいいわね(笑)」


電話が切れた。



ありさはもう一度、電話をかける。



ありさ
「高梨加奈子、M98で始末して」



「98…お嬢様、本気ですか?」

ありさ
「本気よ、至急ね」
  

Posted by かすみ at 23:46Comments(0)