2007年11月13日

嵐の女

次の春が来た。
かすみは無事にO学院大に推薦入学。


入学早々に、朝練習がある。さすがに名門はなかなか厳しい。


かすみ
「遅れるぅ〜!!」


ガッシャーン


かすみ
「あ゛ー!」


音楽室の下の自転車置き場。
今日も運悪く、ドミノになってしまった。


先輩
「安曇野ぉ〜!俺の新車に当てるなよ!」


窓から顔が出た。


かすみ
「先輩の愛車でストップしました(^-^)v」


朝の練習に間に合わせるため、ドミノはそのままに、かすみは音楽室へ走る。


やっと「安曇野かすみ」に戻ったのだが…


契約は卒業まで続くので、大嵐は付き人のようにいて、神谷の管理するマンション住まい。


先輩
「まだ一昨日、納車なのに…」


貴子
「先輩、かすみには常識はなんにも通用しませんよ。
あれだけの能力があるんだから、変わり者でも仕方ないでしょ」


貴子の言葉に返事はない。


バタバタバタバタ

ガラッ!


かすみ
「きこちゃん、おはよう!」


貴子
「おはよう…たかこだってば」


貴子はため息つく。
こんな呼び名、初めてだ…。
しかも、かすみは聞いてないし。


かすみ
「先輩、ヴェスパ買ったの?
超カッコいいし、チャリドミノ15台をストップさせたょヾ(^▽^)ノ
まさにキングオブスクーター!
マジかっこいー!」


先輩
「見てくるぅぅ〜°・(ノД`)・°・」


貴子
「かすみ、神谷の親戚なら自転車じゃなくたっていいじゃないの?」


かすみ
「思った瞬間、曲がったり止まったり、すぐ向きが変わるし、駐車場もいらなぃし。

チャリ、便利なのになぁ…

きこちゃんにゎわかんないかぁ」


はぁ…
貴子はため息をついた。
私にはまったくない価値観…。
自転車さえも乗ったことがない。
免許とるまでは母の送り迎え。
今は父が買ってくれた安いBMWで通学。


オンボロフルートに奇才的な技術。
お金持ちの親戚らしいが、自転車大好き。


何より、ずば抜けた国語力のなさ。


貴子
「あの子は、ある意味この学校の天災ね…」


かすみは一時間がかりのロングトーンを始めた。

O学院大。
部活さえ辞めなければ、卒業まで一直線。


フリースクールで2留したのが嘘のような条件だ。


かすみ
「ぞれちゃんはまぁおまけでも、あたしは安曇野かすみだぁ〜!」


それが終わると毎日不思議なメロディーをさらう。


S大名誉教授の娘の貴子には、そんなかすみがうらやましかったりもした。


貴子
「こんな破天荒な友達、ほしかった♪」


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