2007年11月09日

手紙2

かすみが家に帰らないまま、3回目の春が来た。


安曇野家。
かすみの母はいつも通りにポストを開ける。


「安雲野肴様」


久しぶりに見るかすみの字。


かすみの母
「…親の名前も書けないなんて…

かすみはひらがなでよかった。」



かすみ…私たちは漢字で「霞」とつけたがったが、まだ幼かったかすみの兄の「あたまわるそうなかお」の一言で、ひらがなにした。


それは的中した。


内容以前の怖さで恐る恐る手紙を開く。


…的中。


「ママへ

元気ぃ?あたしは超元気!
今日はママにざんねんなおしらせをしなくちゃいけません。
あたし、漢字書けなくて、2流してました(汗)
ゴメンナサイ。

この春、やっと3年生にさせてもらいました☆(^-^)」


顔の絵書く暇があったら、漢字の勉強しなさい!(-_-#)
2枚目をめくる。


「でね、先生がS大は無料だから、O学院大へのしんがくを進めてくれました♪
S大より推薦レベル超タカッ↑↑↑て感じで、レッスンするべきか、漢字の勉強すべきか、脳んでます。

でも来年、3年生の圭ちゃんの後はいになったら、あたし、圭ちゃんにずっと甘そうで。
O学院大でいっそ、圭ちゃんのライバルでがんばるかなって。

M県でS大、O学院大はくっしの吹奏楽の名門校。」


漢字ドリルを送るかなぁ…。


「パパゎ元気ぃ?
神谷のおじさんがフルート用意してくれたけど、やっぱりパパが買ってくれたフルートが1番☆

親子の受ってすごいね!
パパの泣けないのお金で買ってくれた楽器が、かすみスタイルみたいな(笑)


とりあえず、近所報告でした♪バイバーイ!」



高校入試科目が英語・数学・理科とかすみの得意分野で進んだけど…


ここまで国語力がなかったのか…

母、希(のぞみ)は自分の過去を振り返る。


…漢字ドリルより必要なものを与えていなかった…。


かすみの母
「私の育て方だったよね」


お兄ちゃん
「おっ、家出娘からの手紙…」


奪い取って、兄は玄関でこれでもかというほど笑った。


かすみの兄
「罪は必ず、返るんだよ…かすみ、バカの限度を越えたな。
タレントとかどぅ?
頭の弱いの集まってるから、かすみもすぐなじめるぜヾ(^▽^)ノ」


タレント…


その言葉が希の心にかかった。


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