2007年11月04日

犬くん2

リムジンの中。


かすみ
「かのアリストテレスはこう言った…逃亡はするためにある。
そして、モンテスキューはこういう…かごに入れられるほど、逃亡本能は沸き立つ。
そしてルソーは…」


大嵐
「そんなことはこういうのは姫だけです!
アリストテレスも誰もそんなこと言ってませんから」


かすみ
「ちぇっ!」


大嵐
「それを言いたいのはこっちのセリフです!
もぅ…」



運転手の大嵐(おおぞれ)は嘆いた。
自分の名前すら、嘆きたくなる。
なんでこんな台風娘に…。


かすみ
「で、やまあらしさー!」


大嵐
「おおぞれです!姫」


かすみ
「ぞれちゃんさぁ、
なんでこんなチャイルドロックみたいなのついてんの、この車?」


大嵐
「姫が逃げないようにとの、旦那様からの命令です」



かすみ
「つまんねー、
ありさも飽きるわ、これじゃ。┓( ̄∇ ̄;)┏
あ、その角を右、そしたらすぐ左ね」


大嵐
「右折は急にできません!」


かすみ
「だからチャリが楽だってゅったのになぁ…」


かすみはみさきに教えてもらった新しいショッピングビルについた。


かすみ
「じゃ!」


大嵐
「お供します!!」


かすみ
「度胸あんね、ぞれちゃん」


車を止め、かすみの後につき、店の中へ…。
大嵐は現在の職業を今日ほど後悔することはなかった。


大音響の音楽。
誰もが髪をくるんと巻いて、みんな同じ顔。
かぼちゃパンツや妊婦もどき。
スカートの下に短パン。
寒いなら、ズボンをはけよ…
胸の大きく開いた服。
見ろ!と言わんばかりにむき出した足。
ポスターもエロティックで、どこを見ればいいのかわからない。


かすみ
「イェーイ、ぞれちゃぁ〜ん」


大嵐が振り返ると目のやり場に困る人間がさらに増えていた。
謎なポーズに舌まで出している…。
なんて下品な世界。


かすみ
「これ、かわいくなぃ?↑↑」


大嵐
「かわいいです…(+_+)」


かすみ
「はい、さっきまでの服、持っててね!
次行くよ!」


金髪ショートカットのかすみは最後には、誰とも区別つかない、くりんくりんのウィッグまでかぶっていた。


大嵐
「カツラですか…」


かすみ
「ウィッグて呼んでよ、おっさんくさーぃ、
あっ!」


かすみは走り出した。


大嵐
「姫ぇぇ〜!」


かすみは雑貨屋の前にいた。


大嵐
「はぁはぁ…姫」


かすみ
「じゃん!犬くん」


大嵐
「いぬくん…」


かすみ
「生き物だって人間と同じように敬称はほしくなぃ?↑↑
てか、おーぃ、犬なんてかなり失礼くねぇ?↑
買ってくるね、これで買い物終了!」



ざっと五時間…。



大嵐は神谷に担当を外してくれと懇願したい1日は終わった。


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