2007年11月03日

過去〜上田みさき〜

部屋に帰ったみさきはまだ泣いていた。
愛する人のために捧げた曲がこんなに悲しいなんて…。


不登校児、上田みさきは親の勧めでこのスクールに来た。
フルートを続けたい…それだけで。



RRRR...RRRR...


みさき
「もしもし」



みなみ
「もっしー?ねぇね?」

みさき
「みなみ、元気だった?」


みなみ
「うん、とっても。
ジャズドラムは相変わらず難しぃけど。
恋しちゃったんだぁ(*^.^*)」


みさき
「恋?」


全寮制の女性のみのスクール…。
昼はOLで夜にレッスンて人も少なくなぃ。


みさき
「あなた、かすみさんと同じ高校よね?」


みなみ
「そう!
そこのトランペッターの茅野先輩!
めっちゃかっこいぃけど、彼女いるみたぃ…。
左の薬指に指輪していて、指摘すると先生にまで逆らうの。」



みさき
「かすみさんも左手に…」


みなみ
「そぅ、安曇野さんて彼女らしぃんだよね!
でも転校して、茅野先輩、ほとんど会えないみたぃ。
てか、あたし、かなり狙い目じゃなぃ?」


みなみの弾む声。


みさき
「そうね、
あ、レッスンの時間だから、また連絡してね」


受話器を置いたみさきは涙が止まらなかった…


溺愛しても失った…泣き崩れたかすみを思い出す。

あんなことさえなければ私だって…


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