2007年11月03日
お金を稼ぐこと
10月。
圭祐は封筒を開けた。
S大からの合格通知。
複雑だった。
かすみともっと離れてしまぅ…。
今だって、神谷のスクールで出入りは自由でも、隣の県と距離はある。
かすみのフルートのヘッドを持って、家を出た。
小さな町工場。
圭祐
「かすみの父さん!」
かすみの父
「圭祐くん、久しぶりだね」
圭祐
「お願いがあって来ました…」
フルートのヘッドを差し出す。
圭祐
「これを指輪に加工できますか?」
かすみの父
「シルバーか…よし」
圭祐
「ぼくにやらせてください」
かすみの父
「危ないし、難しいぞ」
圭祐はうなずく。
かすみの父
「…よし、来い」
油臭い作業服を借り、ヘッドを切断したり、磨いたり。
人生、初めての仕事だ。
圭祐
「これに刻印とか、できますか?」
かすみの父
「難しいが、圭祐くんはなかなか器用だから、できるだろう」
10月だというのに、工場はとても熱い。
彫刻機を借りて、四苦八苦しながら、文字を彫る。
役職者の父と莫大な遺産を残した祖父。
圭祐はお金に無頓着だった。
お金に汗なんてナンセンスだと思っていたが。
圭祐
「できた!
ありがとうございました!!」
圭祐は電車に乗った。
2ヶ月、かすみに会わなかった圭祐は部活試験に必死だった。
合格をもらい、かすみを思った。
へし折れた150万のフルート。
アイツなりに両親を思ったのか…
好きでもない男に抱かれる…そんなことまでしてお金を稼ぐ。
乗り継ぎのバスを降り、かすみのいるマンションへ駆け込む。
圭祐
「かすみ!」
ドアを叩いた。
かすみ
「圭祐?」
圭祐
「いいかな?」
かすみ
「いいけど…」
かすみはドアを開けた。
かすみ
「圭ちゃん、パパクサぃ…」
圭祐
「報告があってさ。
俺、S大、合格したよ。」
かすみ
「やったぁぁぁ!」
圭祐
「あとひとつ!」
ポケットから、2つの不格好な指輪を出す。
圭祐
「左手!」
かすみ
「左手?」
かすみは不思議そうに出す。
圭祐はその不格好な指輪を薬指にはめた。
圭祐
「かすみの番!」
かすみは不格好な指輪をつまみあげる。
かすみ
「何か書いてある」
kasumi&keisuke&kohsuke since 9.Jul.
圭祐
「俺だって、幸祐のこと、悔しいよ!
俺たちが親じゃないか。
ずっと苦しくて…
でもかすみはもっと苦しんだんだよな」
かすみは圭祐の薬指に指輪をはめた。
圭祐
「ありさ姉さんから聞いたよ、
オーバードラッグにリストカットで病院に運ばれたって」
かすみ
「……ごめんなさぃ」
圭祐
「だから、これを作った」
かすみ
「作ったの?」
圭祐
「あぁ、俺の人生初バイト。
お前が投げたフルートのヘッドをかすみの親父さんに教えてもらって、加工したんだぞ!」
圭祐は得意げに笑う。
かすみ
「パパに頼めば、もっときれいにできたのに」
ゲンコツ…
そして圭祐はかすみを抱きしめた。
かすみ
「油くさいょ」
圭祐
「そうだ、油臭いし、汗も臭うぞ!
ただ、お前がウリした気持ち、わかる気がした。
気持ち悪くても、嫌でも、お前なりのバイトだったんだって…」
かすみ
「はぁ…?」
圭祐
「結婚しておこう、離ればなれになる前に」
かすみ
「それで指輪…」
圭祐
「幸祐は死んだ…そう思って生きていくしかないよな、俺たち」
かすみ
「圭ちゃん?」
圭祐
「幸祐を奪われた苦しみは同じだ。
だけど、俺たちの大切な子供なんだ。」
圭祐は泣いていた。
悲しみは自分だけじゃなかった…かすみは声をあげ泣いた。
圭祐
「かすみ…俺を夫と認めるか?」
かすみ
「うん」
圭祐
「かすみは俺の妻だ」
かすみ
「つま…」
かすみ
「つま?つまって、刺身の大根じゃないつま?
毒みたいな漢字のつま?!」
圭祐
「ま、かすみは妻より毒かな?」
かすみ
「嫁さんの妻?」
圭祐
「お前、話の前後、聞いてろよ」
かすみ
「聞いてたわよ…あたしが圭ちゃんの妻?
奥さんなの?」
圭祐
「それで優秀だったうちの学校が知れん」
かすみ
「やったー!
あたし、圭ちゃんのお嫁さんだぁ!」
圭祐
「…お前には、妻って言葉は難しすぎたな」
指輪をずっと眺めるかすみを圭祐は抱きしめた。
2人で、もう一度、すべてをやり直そう…
失った幸祐に恥じない人生を歩むために…。
圭祐は封筒を開けた。
S大からの合格通知。
複雑だった。
かすみともっと離れてしまぅ…。
今だって、神谷のスクールで出入りは自由でも、隣の県と距離はある。
かすみのフルートのヘッドを持って、家を出た。
小さな町工場。
圭祐
「かすみの父さん!」
かすみの父
「圭祐くん、久しぶりだね」
圭祐
「お願いがあって来ました…」
フルートのヘッドを差し出す。
圭祐
「これを指輪に加工できますか?」
かすみの父
「シルバーか…よし」
圭祐
「ぼくにやらせてください」
かすみの父
「危ないし、難しいぞ」
圭祐はうなずく。
かすみの父
「…よし、来い」
油臭い作業服を借り、ヘッドを切断したり、磨いたり。
人生、初めての仕事だ。
圭祐
「これに刻印とか、できますか?」
かすみの父
「難しいが、圭祐くんはなかなか器用だから、できるだろう」
10月だというのに、工場はとても熱い。
彫刻機を借りて、四苦八苦しながら、文字を彫る。
役職者の父と莫大な遺産を残した祖父。
圭祐はお金に無頓着だった。
お金に汗なんてナンセンスだと思っていたが。
圭祐
「できた!
ありがとうございました!!」
圭祐は電車に乗った。
2ヶ月、かすみに会わなかった圭祐は部活試験に必死だった。
合格をもらい、かすみを思った。
へし折れた150万のフルート。
アイツなりに両親を思ったのか…
好きでもない男に抱かれる…そんなことまでしてお金を稼ぐ。
乗り継ぎのバスを降り、かすみのいるマンションへ駆け込む。
圭祐
「かすみ!」
ドアを叩いた。
かすみ
「圭祐?」
圭祐
「いいかな?」
かすみ
「いいけど…」
かすみはドアを開けた。
かすみ
「圭ちゃん、パパクサぃ…」
圭祐
「報告があってさ。
俺、S大、合格したよ。」
かすみ
「やったぁぁぁ!」
圭祐
「あとひとつ!」
ポケットから、2つの不格好な指輪を出す。
圭祐
「左手!」
かすみ
「左手?」
かすみは不思議そうに出す。
圭祐はその不格好な指輪を薬指にはめた。
圭祐
「かすみの番!」
かすみは不格好な指輪をつまみあげる。
かすみ
「何か書いてある」
kasumi&keisuke&kohsuke since 9.Jul.
圭祐
「俺だって、幸祐のこと、悔しいよ!
俺たちが親じゃないか。
ずっと苦しくて…
でもかすみはもっと苦しんだんだよな」
かすみは圭祐の薬指に指輪をはめた。
圭祐
「ありさ姉さんから聞いたよ、
オーバードラッグにリストカットで病院に運ばれたって」
かすみ
「……ごめんなさぃ」
圭祐
「だから、これを作った」
かすみ
「作ったの?」
圭祐
「あぁ、俺の人生初バイト。
お前が投げたフルートのヘッドをかすみの親父さんに教えてもらって、加工したんだぞ!」
圭祐は得意げに笑う。
かすみ
「パパに頼めば、もっときれいにできたのに」
ゲンコツ…
そして圭祐はかすみを抱きしめた。
かすみ
「油くさいょ」
圭祐
「そうだ、油臭いし、汗も臭うぞ!
ただ、お前がウリした気持ち、わかる気がした。
気持ち悪くても、嫌でも、お前なりのバイトだったんだって…」
かすみ
「はぁ…?」
圭祐
「結婚しておこう、離ればなれになる前に」
かすみ
「それで指輪…」
圭祐
「幸祐は死んだ…そう思って生きていくしかないよな、俺たち」
かすみ
「圭ちゃん?」
圭祐
「幸祐を奪われた苦しみは同じだ。
だけど、俺たちの大切な子供なんだ。」
圭祐は泣いていた。
悲しみは自分だけじゃなかった…かすみは声をあげ泣いた。
圭祐
「かすみ…俺を夫と認めるか?」
かすみ
「うん」
圭祐
「かすみは俺の妻だ」
かすみ
「つま…」
かすみ
「つま?つまって、刺身の大根じゃないつま?
毒みたいな漢字のつま?!」
圭祐
「ま、かすみは妻より毒かな?」
かすみ
「嫁さんの妻?」
圭祐
「お前、話の前後、聞いてろよ」
かすみ
「聞いてたわよ…あたしが圭ちゃんの妻?
奥さんなの?」
圭祐
「それで優秀だったうちの学校が知れん」
かすみ
「やったー!
あたし、圭ちゃんのお嫁さんだぁ!」
圭祐
「…お前には、妻って言葉は難しすぎたな」
指輪をずっと眺めるかすみを圭祐は抱きしめた。
2人で、もう一度、すべてをやり直そう…
失った幸祐に恥じない人生を歩むために…。
Posted by かすみ at 00:52│Comments(0)
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