2007年10月29日
屈折した愛1
神谷
「やぁ、圭祐。家に来るなんて久しぶりじゃないか」
圭祐
「これ、母から先日のお礼って届けに…」
そうめん箱は便利なもんだ。
神谷
「そんなに気を使わなくていいのに、ま、ゆっくりしてきなさい」
圭祐
「いえ、ぼくは別の用事できましたから」
圭祐は階段をかけあがる。
神谷
「圭祐!いきなりなんなんだ?」
圭祐
「かすみを連れ帰るんだよ」
神谷
「ダメだ!」
神谷は圭祐の後を追う。
圭祐
「かすみは俺の女だ。赤ちゃんも俺の子…」
かすかにロングトーンの音がした。
この部屋か…
圭祐
「かすみ!」
一番奥の部屋のドアを開ける。
三好
「圭祐坊ちゃん」
かすみ
「…圭ちゃん!?
どうして?
…あたし、酸欠してる?」
かすみは不思議そぅな顔をしている。
圭祐
「帰ろう!」
かすみの手をつかむ。
かすみ
「…あたし、帰れない。
帰れなぃの、圭ちゃん。
ごめんなさい…」
圭祐
「そんなにおじさんの方がいいのか?(怒)」
かすみ
「圭ちゃんとあたしの赤ちゃんが、唯一、生きられる方法。
ありさの兄弟として産むこと…
そしたら、あたし、圭ちゃんのところにもパパやママのところへ帰れる」
圭祐
「赤ちゃん…?」
かすみ
「今までのズルサのバチね(笑)
あんな汚いお金で圭ちゃんみたいなすごい楽器、手に入れようなんて。
でも今度はちゃんとした契約だから。
契約が終われば、S大へ進学させてもらえるし、今もここでレッスンも受けられてる。
…圭ちゃんが許してくれれば…の話だけどね」
かすみは少し膨らんだおなかに圭祐の手を当てた。
かすみ
「圭ちゃんの赤ちゃん。すっごく元気でね。
圭ちゃんみたいにおなかで、もぞもぞ動いて、すごく痛い(笑)」
圭祐はひざまずいておなかに耳を当てた。
俺の子供…
俺は父親なのか…
実感はイマイチわかない。
圭祐
「パパの声、聞こえるか?」
かすみ
「いたたたっ」
圭祐
「かすみ!?」
かすみ
「赤ちゃんが動いたの…圭ちゃんが、パパってわかってるよね」
圭祐
「…おじさんの子じゃないのか?」
かすみ
「ありさに頼んで、ピルも飲んでたし、ちゃんとゴムつけてもらってたよ(^^ゞ
ピルやめて、まさか2ヶ月で赤ちゃんできるなんて、思わなかったなぁ。」
かすみはそう笑っておなかをなでる。
かすみ
「幸祐くん、パパですよー」
圭祐
「こーすけ?」
かすみ
「そ、赤ちゃんの名前も決められるから、かすみと圭ちゃんの子供で幸祐」
圭祐
「意味わからん」
かすみ
「かすみのかすと圭のすけで、カススケは変でしょ?」
圭祐
「マヌケだ」
かすみ
「だから、圭ちゃんの赤ちゃんが産める、あたしの幸せな気持ちと、圭祐の名前と足して、幸祐」
圭祐
「幸祐かぁ…」
かすみ
「圭ちゃん、なんでウリなんかしてたあたしなのに、ここまで来たの?」
圭祐
「わからん…
かすみのこと、
おじさんのこと
…許せないよ。
だけど、それよりもかすみがそばにいてほしい。」
かすみ
「ありがと☆」
かすみは圭祐にキスをする。
三好
「姫…」
三好は呆れて、目を覆う。
圭祐とかすみは、何度もキスをした。
かすみ
「あと一年半で帰るから、圭ちゃん、大学で待ってて。
一年遅れて行くからね!」
三好
「姫、お医者様がお見えです。」
かすみ
「みよっちゃん、圭ちゃんにも赤ちゃん見てもらいたいの、いい?」
三好
「それは…」
かすみ
「じゃ、圭ちゃん帰ろうかぁ(*⌒▽⌒*)」
三好
「わかりましたぁ!(T^T)
もぅ…姫は」
かすみ
「ありさと育ちが違うんだから、いつもいつも比べないでよ!」
医者
「姫、ずいぶんとご機嫌よろしくて」
かすみ
「あ、紹介するね!
彼が赤ちゃんのパパ!」
医者
「あぁ、どうも」
かすみ
「ねぇねぇ、圭ちゃんに赤ちゃん見せてあげて!」
医者
「先に体重検査です!」
かすみ
「ケチ!」
圭祐
「お前、どこまで行ってもひねくれ者だな」
体重と尿検査をしてベッドに戻る。
医者
「体重も尿も問題なし。
ではお楽しみのエコーです。」
おなかにエコーを当てる。
医者
「ここが心臓、ほんとに初期から元気ですよ。
頭がこちら」
圭祐
「変な顔」
医者
「はははは、君も昔はこうだったんだよ。
それから、こっち。小さなひだみたいなものわかります?」
圭祐
「ギザギザ?」
医者
「赤ちゃんの指ですよ。もう足の指も形成されてますよ。
予定日は、7月上旬です。」
かすみ
「9日だといいね。
つきあった記念日だし(笑)」
圭祐
「そうだな。
…いい子になるぞ、俺に似て。」
かすみ
「違うよ、あたしに似るから!」
医者
「はいはい。それはあとになさってくださいね。
呼吸法の練習と乳房のマッサージをきちんとするようにね。」
かすみ
「はぁ〜い」
医者
「では失礼。」
かすみはずっと圭祐の手を握っていた。
神谷
「圭祐、そろそろ帰りなさい」
圭祐
「なんだよ、おじさん。
一晩くらい。」
神谷
「その子は神谷コーポレートの跡取りとして、生まれるんだ。
お前とあすかちゃんの子供じゃなくなる。
情が移る前に帰りなさい…」
圭祐
「おじさんはいつもそう、非情なんだな。
じいちゃんも社長を退いたら、ここから追い出して。
おばさんだって、この屋敷でつながれてるんだろ?
ありさ姉さんの気持ちもわからんのか!
…最悪だな!」
かすみ
「圭ちゃん、手紙書くから、もぅここには来ないで」
圭祐
「…かすみ」
かすみ
「圭ちゃんに会ったら、赤ちゃんを手放せなくなる。」
圭祐
「…わかったよ」
圭祐は神谷の家を飛び出した。
じいちゃんも叩き出されて、かすみも用が済んだら追い出されるのか…
最悪だ!
親父が帰りたがらない気持ちがわかる気がした。
最終の新幹線。
怒りに震える圭祐だが、エコーの赤ちゃんの姿になんとも言えない癒やしと幸せを感じた。
圭祐
「俺の子供…かぁ」
「やぁ、圭祐。家に来るなんて久しぶりじゃないか」
圭祐
「これ、母から先日のお礼って届けに…」
そうめん箱は便利なもんだ。
神谷
「そんなに気を使わなくていいのに、ま、ゆっくりしてきなさい」
圭祐
「いえ、ぼくは別の用事できましたから」
圭祐は階段をかけあがる。
神谷
「圭祐!いきなりなんなんだ?」
圭祐
「かすみを連れ帰るんだよ」
神谷
「ダメだ!」
神谷は圭祐の後を追う。
圭祐
「かすみは俺の女だ。赤ちゃんも俺の子…」
かすかにロングトーンの音がした。
この部屋か…
圭祐
「かすみ!」
一番奥の部屋のドアを開ける。
三好
「圭祐坊ちゃん」
かすみ
「…圭ちゃん!?
どうして?
…あたし、酸欠してる?」
かすみは不思議そぅな顔をしている。
圭祐
「帰ろう!」
かすみの手をつかむ。
かすみ
「…あたし、帰れない。
帰れなぃの、圭ちゃん。
ごめんなさい…」
圭祐
「そんなにおじさんの方がいいのか?(怒)」
かすみ
「圭ちゃんとあたしの赤ちゃんが、唯一、生きられる方法。
ありさの兄弟として産むこと…
そしたら、あたし、圭ちゃんのところにもパパやママのところへ帰れる」
圭祐
「赤ちゃん…?」
かすみ
「今までのズルサのバチね(笑)
あんな汚いお金で圭ちゃんみたいなすごい楽器、手に入れようなんて。
でも今度はちゃんとした契約だから。
契約が終われば、S大へ進学させてもらえるし、今もここでレッスンも受けられてる。
…圭ちゃんが許してくれれば…の話だけどね」
かすみは少し膨らんだおなかに圭祐の手を当てた。
かすみ
「圭ちゃんの赤ちゃん。すっごく元気でね。
圭ちゃんみたいにおなかで、もぞもぞ動いて、すごく痛い(笑)」
圭祐はひざまずいておなかに耳を当てた。
俺の子供…
俺は父親なのか…
実感はイマイチわかない。
圭祐
「パパの声、聞こえるか?」
かすみ
「いたたたっ」
圭祐
「かすみ!?」
かすみ
「赤ちゃんが動いたの…圭ちゃんが、パパってわかってるよね」
圭祐
「…おじさんの子じゃないのか?」
かすみ
「ありさに頼んで、ピルも飲んでたし、ちゃんとゴムつけてもらってたよ(^^ゞ
ピルやめて、まさか2ヶ月で赤ちゃんできるなんて、思わなかったなぁ。」
かすみはそう笑っておなかをなでる。
かすみ
「幸祐くん、パパですよー」
圭祐
「こーすけ?」
かすみ
「そ、赤ちゃんの名前も決められるから、かすみと圭ちゃんの子供で幸祐」
圭祐
「意味わからん」
かすみ
「かすみのかすと圭のすけで、カススケは変でしょ?」
圭祐
「マヌケだ」
かすみ
「だから、圭ちゃんの赤ちゃんが産める、あたしの幸せな気持ちと、圭祐の名前と足して、幸祐」
圭祐
「幸祐かぁ…」
かすみ
「圭ちゃん、なんでウリなんかしてたあたしなのに、ここまで来たの?」
圭祐
「わからん…
かすみのこと、
おじさんのこと
…許せないよ。
だけど、それよりもかすみがそばにいてほしい。」
かすみ
「ありがと☆」
かすみは圭祐にキスをする。
三好
「姫…」
三好は呆れて、目を覆う。
圭祐とかすみは、何度もキスをした。
かすみ
「あと一年半で帰るから、圭ちゃん、大学で待ってて。
一年遅れて行くからね!」
三好
「姫、お医者様がお見えです。」
かすみ
「みよっちゃん、圭ちゃんにも赤ちゃん見てもらいたいの、いい?」
三好
「それは…」
かすみ
「じゃ、圭ちゃん帰ろうかぁ(*⌒▽⌒*)」
三好
「わかりましたぁ!(T^T)
もぅ…姫は」
かすみ
「ありさと育ちが違うんだから、いつもいつも比べないでよ!」
医者
「姫、ずいぶんとご機嫌よろしくて」
かすみ
「あ、紹介するね!
彼が赤ちゃんのパパ!」
医者
「あぁ、どうも」
かすみ
「ねぇねぇ、圭ちゃんに赤ちゃん見せてあげて!」
医者
「先に体重検査です!」
かすみ
「ケチ!」
圭祐
「お前、どこまで行ってもひねくれ者だな」
体重と尿検査をしてベッドに戻る。
医者
「体重も尿も問題なし。
ではお楽しみのエコーです。」
おなかにエコーを当てる。
医者
「ここが心臓、ほんとに初期から元気ですよ。
頭がこちら」
圭祐
「変な顔」
医者
「はははは、君も昔はこうだったんだよ。
それから、こっち。小さなひだみたいなものわかります?」
圭祐
「ギザギザ?」
医者
「赤ちゃんの指ですよ。もう足の指も形成されてますよ。
予定日は、7月上旬です。」
かすみ
「9日だといいね。
つきあった記念日だし(笑)」
圭祐
「そうだな。
…いい子になるぞ、俺に似て。」
かすみ
「違うよ、あたしに似るから!」
医者
「はいはい。それはあとになさってくださいね。
呼吸法の練習と乳房のマッサージをきちんとするようにね。」
かすみ
「はぁ〜い」
医者
「では失礼。」
かすみはずっと圭祐の手を握っていた。
神谷
「圭祐、そろそろ帰りなさい」
圭祐
「なんだよ、おじさん。
一晩くらい。」
神谷
「その子は神谷コーポレートの跡取りとして、生まれるんだ。
お前とあすかちゃんの子供じゃなくなる。
情が移る前に帰りなさい…」
圭祐
「おじさんはいつもそう、非情なんだな。
じいちゃんも社長を退いたら、ここから追い出して。
おばさんだって、この屋敷でつながれてるんだろ?
ありさ姉さんの気持ちもわからんのか!
…最悪だな!」
かすみ
「圭ちゃん、手紙書くから、もぅここには来ないで」
圭祐
「…かすみ」
かすみ
「圭ちゃんに会ったら、赤ちゃんを手放せなくなる。」
圭祐
「…わかったよ」
圭祐は神谷の家を飛び出した。
じいちゃんも叩き出されて、かすみも用が済んだら追い出されるのか…
最悪だ!
親父が帰りたがらない気持ちがわかる気がした。
最終の新幹線。
怒りに震える圭祐だが、エコーの赤ちゃんの姿になんとも言えない癒やしと幸せを感じた。
圭祐
「俺の子供…かぁ」
Posted by かすみ at 20:52│Comments(0)
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